7月25日
16年上期に太陽光設備銘柄の好決算を予想、下期以降は不透明感も

2016年上期の太陽光発電設備の導入量が予想を上回ったことを受け、BOCIは太陽光セクターの好決算を見込んでいる。うち保利協キン能源控股(GCLポリー・エナジー:03800)の16年6月中間期の純利益に関しては、前年同期比136%増の15億6100万元を予想(為替差損などの特別要因を除いた利益に関しては同221%増を予想)。市場が最近、太陽光セクターを軽視してきた中で、ポジティブサプライズを起こすとみている。一方、16年下期、17年には導入量の減少見通しから引き続き業況不透明感が強いものの、こうしたマイナス材料は同社の現在株価にほぼ反映されたとの見方。7-9月期に予想される再生エネルギー補助金の第6回目録の発表が今後の支援材料となる見通しを示し、保利協キン能源の株価の先行きに対して強気見通しを継続している。

メディア報道によれば、中国国内の太陽光発電設備の新規導入量は16年上期に20GW(うち分散型設備は2GW)。15年の導入実績は上期に7.7GW、通年でも15GWであり、16年に入ってから導入ペースが大きく加速した。主に◇一部設備の導入が15年10-12月期から16年1-3月期にずれ込んだ、◇4-6月期に買い取り価格引き下げ前の駆け込み導入が起きた――ことが寄与したという。

国家エネルギー局は6月、16年の導入目標を18.1GWに設定したが(貧困対策関連の設備導入を除く)、BOCIはこの数字が実質的に、16年下期-17年上期の送電網への新規接続目標を意味するとの見方。16年上期の新規接続量に関しては、実質15年分の扱いになるとみている(国家エネルギー局は15年9月、同年通年目標を23.1GWに上方修正した)。こうした点を考慮すれば、16年下期の新規導入量はおよそ7GWとなる見込み。上期比では減少するものの、前年同期比ではほぼ横ばいとなる可能性が高い。

16年上期の導入加速を受け、多結晶シリコン価格、ウエハー価格は4-6月期にそれぞれ前年同期比2.1%、4.1%上昇した。前期比では各種製品価格が軒並み下向く中、多結晶シリコンが22%上昇したものの、これはRECシリコン社が2月から5月まで生産を停止したため。一方、16年上期の新規導入が一段落したことで関連製品価格は6月から下落に転じており、BOCIは下期の導入量の減少観測を理由に、年内は下落トレンドが続くとの見方だ。ただ、多結晶シリコン価格は下落余地が20%程度にとどまるとみて、1kg当たり13米ドルを下回ることは考えにくいとしている。

保利協キン能源は出荷量の伸びとウエハー事業の粗利益率の改善を受け、16年6月中間期に大幅増益を達成する見込み。BOCIは16年下期-17年上期の新規導入量の減少観測を懸念材料としながらも、単結晶ウエハーなどとの価格競争に対する市場の懸念を過剰反応と指摘。同社の現在株価が16年予想PBR(株価純資産倍率)0.74倍にとどまる点に触れ、上期決算のサプライズが支援材料になるとみている。