オンライン教育事業が新たな成長エンジン、ゲーム事業も安定成長持続へ

現地コード 銘柄名 株価 情報種類
00777 網龍網絡有限公司(ネットドラゴン)  24.40 HKD
(07/14現在)
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BOCIは国内外のK-12(幼稚園と小中高)教育市場の成長潜在力を指摘し、ネットドラゴンのオンライン教育ビジネスを楽観視している。また、オンラインゲームビジネスに関しても、パソコンゲーム、モバイルゲームのラインナップの充実を追い風に、引き続き成長軌道を維持するとの見方。同社株価の先行きに対する強気見通しを明らかにしている。

ネットドラゴンは中国のオンラインゲーム大手だが、現在、新たに国内外での教育エコシステムの構築を進めている。BOCIはまず、同社のオンライン教育ソリューションの先行きを楽観。国内教育市場で「教師」から「生徒」に焦点がシフトしている現状や政策的な追い風に触れ、「Ban Ban Tong」「101 Smart Classroom」といったソリューションの普及を見込んでいる。

また、海外でのオンライン教育ビジネスに関しても楽観的。短中期的には英子会社プロメシアンが展開するハードウェアActivPanelが売り上げに寄与するとみている。さらに高利益率のソフト製品も、中期的に新たな売り上げ牽引役になるとの見方。プロメシアンの17年に売上高については前年比21%の伸びを予想している。

BOCIによると、同社は仮想現実(VR)、拡張現実(AR)など、最先端のハイテク分野に対する大型投資を継続する見込み。教育事業だけでなく、例えば自動車、医療などの新規分野にもVR/ARの適用範囲を拡大していく可能性があるという。経営陣によると、同社は現在、中国最大の3D学習ライブラリーを展開している。

一方、オンラインゲーム事業に関しては、向こう3年間にわたる安定成長が見込まれている。旗艦ゲームタイトル「Calibur of Spirit」(中国語名:英魂之刃)、「Eudemons Online Pocket Version」(魔域ポケット版)の好調持続に加え、自社保有のIP(著作権)を活用した新たなモバイルゲームの投入が寄与する見通しという。

BOCIによると、レーティング見直しにつながる可能性のある同社の潜在リスク要因は、国内の教育政策を取り巻く不透明感や、長期にわたって運営しているパソコンゲームの予想外の減収、人民元の為替リスクなど。

BOCIは教育事業の急成長とゲーム事業の安定成長を理由に、16年、17年、18年にそれぞれ前年比102.2%、23.5%、21.6%の増収を予想。教育、ゲーム両事業の目標価値をそれぞれ66億7700万元(うちプロメシアンが47億3200万元、101.comが19億4400万元)、44億4500万元に設定した上で、SOTP方式に基づいて目標株価を設定した。前提として、ゲーム部門については17年の純利益(非GAAP)を4億5400万元と想定し、16-19年に年率平均10.3%の利益成長を予想。教育部門はプロメシアン、101.comの17年の予想売上高を順に15億7700万元、3億1200万元に設定している。