16-18年の利益見通し下方修正、増収ペースの減速とコスト増を予想
現地コード | 銘柄名 | 株価 | 情報種類 |
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02020 | 安踏体育用品(アンタ・スポーツ・プロダクツ) |
15.58 HKD (06/15現在) |
株価 企業情報 チャート |
BOCIは売り上げ伸び率の減速やマーケティング費用およびR&D費用の増大を見込み、安踏体育用品の16年、17年、18年の利益見通しをそれぞれ3%、5%、8%減額修正した。ただ、厳格な在庫管理方針や機能性製品のウエート拡大などを理由に、ファンダメンタルズは堅調との見方。ブランド多様化戦略やネット通販などへの販路拡大が今後の成長エンジンになるとみて、17年、18年にそれぞれ前年比11-12%の利益成長を見込んでいる。
BOCI の推定によると、16年4月以降これまでの既存店売り上げ伸び率(SSSG)は1-3月期並みの1桁台前半。主に中国南部での多雨が響いたという。同社は天候による悪影響を抑えるため、◇天候に左右されにくいショッピングモール内に複数の路面店を移転する(路面店は同社店舗の75%を占める)、◇同じく天候の影響を受けにくい機能製品の比重を引き上げる――方針。BOCIはこうした販売戦略の調整が、この先年末に向けたSSSGの加速につながるとみている。
同社の販売代理店の小売り値引き率は16年1-3月期に31-32%に拡大しており(前年同期は25-26%)、平均販売価格は5%ほど下落したとみられるが、販売量の1桁台後半の伸びがこれをカバーしたもよう。同社は業界全体が低迷していた12年に販売店向けの卸価格を4-5%値下げした経緯があり、今のところ卸率(掛け率)そのものを見直す予定はないという。
BOCIは16-18年の営業利益率について0.2-0.7ポイントの低下を予想。18年の営業利益率について23%を見込んでいる。利幅の低い伊FILAの収益貢献の高まりやネット通販ビジネスの比重拡大に加え、機能製品開発に向けたマーケティング費とR&D費の増大が利幅悪化を見込む理由。うちマーケティング費、R&D費に関しては16-18年にそれぞれ年平均18%の伸びを予測し、18年には対売り上げ比率が3.1%、12.9%になるとみている。
レーティング見直しにつながる可能性のある潜在リスク要因として、BOCIは中国国内市場での海外ブランドのシェア拡大や、国内同業者との競争激化、予想を超える営業コストの増大を指摘した。 利益見通しの減額に伴い、BOCIは目標株価のバリュエーションをフォワードPER20倍から16倍に下方修正。また、バリュエーションのベースを17年6月に変更した上で、目標株価を引き下げた。ただ、同社株価の先行きに対しては強気見通しを据え置いている。
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