多結晶シリコン価格が4月から急回復、ウエハーの粗利益率改善を予想
現地コード | 銘柄名 | 株価 | 情報種類 |
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03800 | 保利協キン能源控股(GCLポリー・エナジー) |
1.12 HKD (05/19現在) |
株価 企業情報 チャート |
保利協キン能源の2016年1-3月期の業務統計はBOCIの予想を小幅に上回った。ウエハーの平均販売価格は1ワット当たり1.25元とBOCI予想から4.5%下振れ、前年同月比でわずか0.8%の上昇率にとどまったが、販売量は前年同期比44%増と予想を21%上回る水準。ウエハースポット価格は16年4月からこれまでに2%下落したものの、BOCIは4-6月期の粗利益率について32%への改善を予想している。多結晶シリコン(ポリシリコン)価格が4月以降18%上昇したことから、ウエハー価格の下落余地は限定的の見方。16年に予想される10%程度のコスト削減がウエハーの粗利益の改善に寄与する見通しを示した。マーケットでは政府当局による補助金支払いの遅れを受け、太陽光発電の設備導入ペースが16年上期以降鈍化するとの懸念が高まり、同社株価の調整要因となっているが、BOCIは現在株価がすでに16年予想PBR0.8倍、予想PER6倍の低水準にあると指摘。こうした懸念は現在株価にほぼ反映されたとの見方だ。この先予想される再生エネルギープロジェクト第6弾の発表が支援材料になるとみて、同社株価の先行きに対して強気見通しを継続している。
同社は16年3月末までに、寧夏回族自治区で単結晶ウエハーの生産能力1GWの建設を完了した。このタイミングはBOCIの予想より1四半期ほぼ前倒し。1-3月時点では単結晶ウエハーの売り上げ実績はまだゼロだが、4月以降はウエハー販売量全体の伸びに貢献する見通し。さらにその先を見据えた製品ミックスの改善にもつながるとみられる。
一方、多結晶シリコン価格について、BOCIは16年半ばに1kg当たり18米ドルへの回復を予想しているが、実際、同スポット価格は今週すでに17米ドルに達した。多結晶ウエハー価格は4月以降、1ワット当たり0.208米ドルへ2%ほど下落したが、BOCIは粗利益率見通しを楽観。16年に32%(15年は27%)への改善を見込む。ウエハーの10%程度のコスト低減や多結晶シリコン価格の力強い推移をその理由としている。
BOCIによると、投資判断の見直しにつながる可能性がある同社の潜在リスク要因は、ウエハー価格が予想外のペースで下落する可能性や、中国政府による補助金支払いのさらなる遅延。ただ、BOCIは今回、16年予想PBR1.2倍をあてはめて目標株価を維持(16年予想PERでは8.9倍に相当)。16年予想PBR0.8倍、同予想PER6.1倍に当たる現在株価は太陽光設備導入の減速リスクを織り込む半面、多結晶シリコン価格の上昇という好材料をいまだ反映していないと指摘している。
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