16年1-3月期は39%増益、モバイルゲーム事業が好調

現地コード 銘柄名 株価 情報種類
00700 騰訊控股(テンセント・ホールディングス)  161.10 HKD
(05/19現在)
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テンセントの2016年1-3月期の売上高は前年同期比42.8%増、前期比5.1%増の320億元となり、市場コンセンサス予想を5.5%上振れた。モバイルゲーム事業の好調が背景。営業利益率は前年同期並みで、純利益(非GAAP)は前年同期比39.3%増、前期比で12.1%増の100億元と、市場予想を6%上回る水準だった。BOCIはモバイルゲームの好調が寄与したとしながらも、中長期的には広告収入の伸びが続くと予想。目標株価を引き上げるとともに、株価の先行きに対する強気見通しを継続している。

1-3月期には販促キャンペーンの実施やミッドコア(中間層)向け作品の充実などが寄与し、モバイルゲーム部門の売上高が前年同期比86%増加した。前期比では16%増。一方、PCクライアントゲームも堅調だった。BOCIは16年12月通期のVAS(付加価値サービス)収入について前年比22%増を予測し、著名モバイルゲームの新規投入や旗艦タイトルのユーザーエンゲージメント(親密度)の高さが寄与する見通しを示している。ちなみにモバイルゲーム市場での主な競合は米ナスダック上場のネットイーズ(網易)。同社がヘビーユーザーの取り込みに成功する一方、テンセントはカジュアルゲーム部門、ミッドコア部門で業界トップの座にある。

中国経済の減速や季節要因を受けたネット広告市場の低迷で、1-3月期には広告収入が前期比18%減少した。うちブランド広告は主に中小企業などの慎重姿勢を受け、前期比23%減。成果報酬型広告は前年同期比で90%増加しつつも、前期比では13%減少した。同社経営陣は広告在庫(インプレッション)の急増だけを目指すのではなく、成果報酬型広告の長期成長の持続に照準を合わせ、ユーザー体験や消費者ターゲティング、広告の質、広告フォーマットの改善などを重視する方針。BOCIはこうした戦略を考慮し、広告ビジネスに対する16年の成長見通しを前年比51%増に下方修正した。一方、有料サービスに関しては、ユーザーへの浸透などを理由に、従来予想以上の売り上げ成長を見込んでいる。 レーティング見直しにつながる可能性がある潜在リスクとして、BOCIは予想外のモバイルゲーム事業の減速や、コンテンツ取得コスト、マーケティング費、投資損失などの予想以上の増大を挙げた。

BOCIは16-17年の予想売上高をそれぞれ1.1%、1.7%増額修正し、新たに1350億元、1720億元に設定した。モバイルゲームの売り上げ見通しを上方修正する半面、広告収入見通しを下方修正した。また、16-17年の予想純利益(非GAAP)を1.7%、2.5%引き上げ、417億元、541億元に設定。各種事業の異なる成長率をより反映しやすいSOTP方式に切り替えた上で、目標株価を引き上げた。新たな目標は16年予想PERで35.0倍、17年予想PERで27.4倍に相当する水準となる。