4月の業務統計が好調、新疆などの稼働時間数改善がサプライズに

現地コード 銘柄名 株価 情報種類
00958 華能新能源 (フアナン・リニューワブルズ)  2.24 HKD
(05/10現在)
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華能新能源の最新業務統計を見ると、4月の発電量は前年同月比32%増加し、1-4月の累計発電量はBOCIの通期予想の35%を消化した。4月の設備稼働時間数は同3%増。1-4月では前年同期比0.7%増と、プラス成長に転じた。年初からの稼働時間数の伸び悩みは主に、新疆ウイグル自治区と吉林省での稼働状況の悪化が原因。ただ、冬の暖房需要期が終わった4月になって、新疆、吉林での稼働時間は明らかに改善し、うち新疆では前年同月比18%増加した。BOCIはこれが同社株価の短期的な支援材料になるとの見方だ。風力発電所のロケーション面での優位から、収益率の点で引き続き同業銘柄を上回るとみて、株価の先行きに対する強気見通しを継続している。

最新業務統計を見ると、4月の発電量は前年同月比32%増。1-4月では前年同期比30%増と、1-3月の同29%増から小幅に加速した。特に新疆ウイグル自治区と吉林省の4月の発電量はそれぞれ前年同月比167%増、102%増、前月比で111%増、169%増を記録するというポジティブサプライズ。2015年に完工した新規発電設備(新疆で250MW、吉林で297MW)が16年4月にようやく稼働を開始したしたことが業務統計の改善に寄与した。

同社の設備稼働時間は内モンゴル自治区で落ち込みを示したが、山西省、遼寧省、新疆ウイグル自治区、河北省などの北部エリアで全般に好調。冬の電力需要期を過ぎ、送電の優先順位がコージェネ(熱電併給)から再生エネルギー発電にシフトしたことがその背景にあるが、ほかに新疆ウイグル自治区の風力発電施設が哈密(ハミ)に位置し、哈密-鄭州・超高圧(UHV)送電網の恩恵を受けやすかったことも一因とみられる。中国電力企業連合会によれば、新疆から他省への電力輸出は1-3月期に前年同期比30%増。一方、河南省の電力輸入は1-3月期に同じ幅で増加したという。

BOCIによると、レーティング見直しにつながる可能性がある潜在的なリスク要因は、予想外の風速不足や、稼働時間数保証の履行状況が予想を下回る可能性など。

BOCIはDCF(ディスカウントキャッシュフロー)法に基づき、目標株価を小幅に上方修正した。修正後目標は16年予想PERで10.4倍。16年に前年比19.4%増の増益見通しを示し、この目標値を適正水準としている。