15年本決算で10%増益、最悪期脱却で処理能力拡大ペースが加速へ

現地コード 銘柄名 株価 情報種類
06136 康達国際環保 (カンダー・インターナショナル・エンバイロメンタル)  1.80 HKD
(04/01現在)
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康達国際環保の2015年12月本決算は前年比10%の増益となり、通期純利益はBOCI予想から8%下振れた。処理能力の拡大ペースの減速とコスト増が背景。同社は16年の新規処理力目標を1日当たり800キロトン(キロトン=1000トン)に設定したが、その大半は15年に交渉を済ませながらも正式契約には至っていない案件。BOCIはこうした事情から、16年の目標達成は可能とみている。同社はまた、下水処理プロジェクトへの入札で多数の国有企業と連携することで、PPP(官民連携)事業への参入機会を模索しており、これが実現すれば新たな成長エンジンとなる可能性があるという。BOCIは15年決算を受けて目標株価を引き下げながらも、同社株価の先行きに対して強気見通しを継続している。

同社が15年に確保した新たな処理能力はわずか日産305キロトン。建造収入の前年比15%の落ち込みが通期利益の下振れ要因となった。こうした建設事業のスローダウンは16年の新規プロジェクトの稼働状況に影響する見通しだ。また、一般管理費の対売上比率は2.9ポイント上昇し、支払い金利の削減幅も予想以下。BOCIはこれを受け、16年、17年の予想EPSをそれぞれ18%、15%減額修正した。

同社はPPP事業への参入をにらみ、多くの国有企業・機関と提携している。その一部はChina Ship Scientific Research Center(CSSRC:中国船舶科学研究中心)、江西省のJiangxi Water Investment Group、海南省のHainan Provincial Water Conservancy & Hydropower Groupなど。BOCIは「かなりの時間がかかる」と前置きしながらも、こうした事業提携が新たな成長エンジンとなる可能性を指摘している。

BOCIによれば、レーティング見直しにつながる可能性がある同社の潜在リスク要因は処理能力の伸びが予想を下回る可能性。さらに16年末の負債比率が160%の高水準に達したことで、株式希薄化の可能性や信用リスクの増大を指摘している。

BOCIはすでに最悪期を過ぎたとして同社株価の先行きに対して強気見通しを継続。中国国内の上下水道処理需要の拡大による恩恵を見込み、16年には処理力増強も進むとみている。ただ、処理力の下方修正やコスト増を反映させる形で、DCF方式に基づく目標株価を下方修正した。新たな目標株価は16年予想PERで9倍と、同業銘柄の平均を35%下回る水準。15-18年の予想成長率が年平均16%と、同業銘柄を下回ることをその理由としている。