15年10-12月に好決算見通し、「一帯一路」が追い風

現地コード 銘柄名 株価 情報種類
03898 株洲南車時代電気 (CSRタイムズ・エレクトリック)  35.05 HKD
(01/15現在)
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BOCIは株洲南車時代電気の2015年10-12月期の好決算を見込み、最近の株価下落を受けた値ごろ感を指摘している。機関車受注の延期が結果的にプラスとなり、同期純利益が8億4600万元に上ると予想。1-9月期利益(19億3200万元)の44%に相当するとみている。一方、中国の16年の鉄道設備予算は前年比横ばい、あるいは小幅減となる可能性があるが、BOCIは市場シェアの拡大や地下鉄プロジェクトの寄与、海外市場の開拓、事業の垂直統合などを理由に、同社がセクター全体を上回るペースで成長を遂げると予想。21世紀のシルクロード経済圏構想「一帯一路」に沿った海外プロジェクトが第2四半期にスタートするとの情報も、同社の支援材料になるとみている。また、経営陣に対するリサーチの結果、予想以上に力強い感触を得たとし、同社株価の先行きに対して強気見通しを示している。

本土の一部メディアは先ごろ、「国内の鉄道設備調達予算が16年に前年比30%縮小する」との観測を伝えたが、同社経営陣はその可能性は低いとみている。また、15年に受注した気動車・電車(MU)467両の引き渡しを予定することから、16年にはMU納品規模が拡大すると予想。年間の機関車需要に関しては800-1000両との予測を示した(うち半数は交換)。経営陣によれば、16年には従来型の無蓋貨物車両と客車の需要委縮が予想されるが、同社の牽引システムはこの2タイプの車両には使われておらず、マイナス影響はないという。経営陣はまた、「第13次5カ年計画」(16-20年)期間の鉄道投資が3兆5000億元に上ると予想。鉄道投資のピーク期が今後も続くとみている。同社の市場シェアは拡大しているとみられ、17年の年明けにも新規の受注を獲得する可能性が高い。また、旧・中国北車(もともとの親会社だった中国南車は中国北車と合併し、15年6月に中国中車(01766)に社名変更)のMUおよび機関車プラントとの統合が中期の成長エンジンとなる見込み。市場は機関車だけ統合されると見ていたため、MUも統合対象になるとの情報は新たな材料になるという。

16年には同社に対するIGBT(絶縁ゲートバイポーラトランジスタ)生産ラインの注入が見込まれ、BOCIはこれを朗報と受け止めている。1700Vと3300Vの同製品は新エネルギー業界や送電施設、地下鉄などに用いられており、さらに多くの製品が開発途上にある。IGBTラインの損失は15年に約2億元だったが、17-18年には採算ラインに乗る見込み。応用分野の拡大が粗利益の拡大に寄与する見通しという。

BOCIは15年、16年に関してそれぞれ前年比16%、12%の増益見通しを維持しながらも、鉄道セクターに対する市場の慎重見通しを理由にヒストリカル平均値(PER16.5倍)をあてはめ、目標株価を引き下げた。ただ、鉄道投資の堅調を予想し、これが今後の支援材料になるとの見方。引き続き同社を鉄道セクターのトップピックとしている。