1月13日
15年の乗用車販売は7%増、16年も1桁台後半の伸びを予想

中国の乗用車市場は15年12月も好調を維持し、月間販売台数が前月比10.9%増、前年同月比18.3%増の244万台に達した。10月に導入された小型車減税の効果に加え、年末のエコカー補助金制度の終了や新エネルギー車向け補助金の縮小を睨んだ駆け込み需要、さらに通期目標達成に向けたメーカー各社の販促活動が寄与した。ただ、商用車は依然低調で、12月の販売台数は前年同月を1.6%下回っている。一方、15年通年の販売統計を見ると、新車全体で前年比4.7%増の2460万台。乗用車が同7.3%増の2110万台(14年は同9.9%増)に上る半面、商用車は同9.0%減と、14年の同6.5%減から減少幅が拡大する形となった。乗用車の販売伸び率はちょうど「V字」型となり、第1-第4四半期に前年同期比9.0%増、0.6%増、1.9%減、18.5%増と推移している。

車両種別では、新エネルギー車が急成長。政府当局の手厚い支援や、大都市が実施している車両登録制限の対象外であることなどが寄与し、15年通年で前年の4.4倍に当たる33万1092台を記録。市場が年初に予想した20万-25万台を大きく上振れた。うち電気自動車(EV)が同5.5倍に当たる24万7482台、プラグインハイブリッド車(PHV)が同2.8倍の8万3610台。中国の新エネ車市場は「第12次5カ年」(11-15年)に急成長を遂げ、新車販売全体に占める新エネ車の割合は11年の0.04%から15年には1.35%に上向いた。BOCIは政府の普及戦略を理由に、新エネ車販売が「第13次5カ年」期間も力強い伸びを維持すると予想。「20年までに累計販売500万台以上」との政府目標の達成に向け、今後5年間にわたって年平均30%超の伸びが続くとみている。

新車販売をブランドの出身地別に見ると、15年に最大の勝者となったのは中国の国産ブランド(中国における独自開発ブランド)。コストパフォーマンスに優れたSUVの人気を背景に、国産ブランド乗用車の販売台数は前年比15.3%増加し、乗用車全体に占めるシェアは41.3%に上向いた(前年比2.9ポイント増)。一方、海外ブランド(中外合弁ブランド)に目を向けると、唯一国別でシェアを伸ばしたのは日系ブランド車。日系の乗用車販売は前年比8.7%増と市場全体をアウトパフォームし、わずか0.2ポイントとは言え、08年以来初めてシェアが上向きに転じた。対象的に韓国ブランドの販売台数は同4.9%減と、国別で最も大きな落ち込みを記録。シェアは1.1ポイント低下した。

16年の新車販売について、中国汽車工業協会(CAAM)の予想は乗用車が前年比7.8%増の2276万台、商用車が同5.0%減の328万台、新エネルギー車は70万台超。輸出、輸入台数に関しては約64万台(15年実績は73万台)、88万台(同99万台)と、前年割れを見込む。一方、BOCIは16年の乗用車販売台数について前年比9.6%増との予測を据え置き、セダン車、SUV、MPVが同1.5%、30%、4%の伸びを示す見通しを示した。商用車は一段の景気減速懸念を理由に、同4.3%増から同1.7%増に下方修正した。