11月の収益伸び率が力強い、信用取引業務等の回復が寄与

現地コード 銘柄名 株価 情報種類
06881 中国銀河証券股フン有限公司 (チャイナ・ギャラクシー・セキュリティーズ)  6.95 HKD
(12/10現在)
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中国銀河証券(親会社単体)の純利益は11月に前年同月比130%増、前月比141%増の9億元に達し、H株同業銘柄の中で最も力強い伸びを記録した。同社は営業収益に占めるブローカー(委託売買)業務および信用取引業務の比重が大きく、BOCIは信用取引貸付残高の回復や本土A株市場の売買規模の復調が追い風となったとみている。一方、BOCIはA株市場の16年、17年の予想リターンを10%(修正前予想20%)、10%(同15%)に引き下げたのに伴い、同社の2016年、17年の予想EPSを6%、2%下方修正。さらにH株同業銘柄の平均値に対して30%のディスカウント水準となる16年予想PBR(株価純資産倍率)1.0倍をあてはめ、目標株価を引き下げた。予想PBRの低め設定は委託売買業務への依存度の高さが理由。ただ、BOCIは現在株価が16年予想PBR0.81倍の水準にあることに触れ、株価の先行きに対して強気見通しを継続している。

本土A株市場における同社の委託売買業務のシェアは11月に5.04%で、前月比では2ベーシスポイント低下した。ただ、市場全体の売買代金の増加が追い風となり、同社の委託売買業務は出来高ベースで前月比48%増。信用取引貸付残高は前月比16%増の706億元に達し、国内業界3位だった。

同社の営業収益は委託売買および信用取引業務に対する依存度が高く(両業務が営業収益全体に占める割合は15年上期に82%)、11月には信用取引貸付残高や本土市場の売買代金の回復が収益押し上げ要因となった。また、純利益率は11月に47%と、10月の27%から大きく回復した。BOCIは前月比での経費率の大幅な低下を示唆しながらも、こうした傾向が今後も続くかどうか疑問視している。

レーティングの見直しにつながりかねない同社の潜在リスクとして、BOCIは◇本土株式市場の予想外の低迷、◇委託売買手数料率の引き下げ競争の激化、◇規制面での逆風――を挙げている。