原油安の影響で16年に減収減益見通し、設備投資予算も大幅削減へ

現地コード 銘柄名 株価 情報種類
02883 中海油田服務股フン有限公司 (チャイナオイルフィールド)  7.02 HKD
(12/10現在)
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中海油田服務が2016年の設備投資予算の削減に踏み切る可能性が高まっている。同社によれば、16年の予算は35億-45億元と、15年の65億-75億元を大きく下回る見通しという。また、同社経営陣はこのほど、「厳しい経営環境」を理由に、16年の減収および営業減益見通しを発表した。BOCIはこれを受けて保守的な想定値をあてはめ、16年、17年の予想純利益をそれぞれ24%、4%減額修正した。逆風が続く中、同社株価の底入れはまだ先になるとみて、株価の先行きに対する弱気見通しを継続している。

16年の設備投資削減の背景にあるのは、国際原油相場の下落。16年初めにはイランが核合意後の制裁解除を受けて原油生産量を増やすとみられ、これが一段の原油安を招く可能性がある。そうなれば、油田サービス市場はさらに委縮する見込み。特にオフショア油田開発プロジェクトは採算を確保するための原油価格レベルが相対的に高く、サービス市場の委縮傾向がより鮮明となる可能性が高い。

油田サービス会社の業務量およびサービス価格は需要の委縮を受け、いずれも一段と下向く見込み。同社はこの2点を理由に、16年通期の減収および営業減益見通しを明らかにした。

また、同社はこの先さらに資産減損損失の計上を余儀なくされる可能性がある。掘削リグ44基のうち14基に関しては、16年の通期フルの契約が確保できていない状況にあるためだ。業況が厳しさを増す中、BOCIはリグ14基の稼働状況に関する想定値を下方修正。16年の未契約期間における予想稼働率を50%から30%に引き下げた。

レーティング見直しにつながりかねない同社の潜在リスク要因として、BOCIは一段の大幅原油安の可能性と、石油各社の予想以上のコスト削減策がサービス需要に影響する可能性を挙げている。

BOCIは引き続き15年予想PER13倍(15年8月以来の上限レベル)をあてはめた上で、最近の元安トレンドを反映させ、H株の目標株価を小幅に引き下げた。一方、A株に関してはAH価格差の3カ月平均値(10月後半の146%から144%に縮小)をベースに、目標株価の小幅の下方修正を実施している。