天然ガス値下げが打撃、利益見通し大幅下方修正
現地コード | 銘柄名 | 株価 | 情報種類 |
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00857 | 中国石油天然気 (ペトロチャイナ) |
5.41 HKD (11/19現在) |
株価 企業情報 チャート |
BOCIは中国最大の天然ガス生産者であるペトロチャイナの2016-17年の利益見通しを75-91%の幅で大きく減額修正した。政府当局が11月20日付で、非住宅用天然ガスのゲート価格(長距離輸送ラインの出口価格)を1立方メートル当たり0. 7元引き下げたことが原因。ただ、H株株価は16年予想PERでかなりの高水準にある一方、15年予想PBR(株価純資産倍率)は0.7倍に過ぎず、BOCIは下値余地は限定的との見方だ。また、現在の原油価格水準の下、米シェールガス生産者が赤字を計上している現状に触れ、国際原油相場の一段の下落余地も限られると指摘。目標株価を引き下げながらも、同社H株、A株の先行きに対していずれも中立見通しを継続している。
天然ガスの1立方メートル当たり0.07元の値下げ幅は予想より多少大きかったが、肥料生産者向けの天然ガス販売価格は据え置きとなった。国家統計局のデータに基づき、BOCIは肥料メーカーおよび住宅向けの天然ガス販売量が同社全体の18%、19%を占めると推定。13%の付加価値税(VAT)を除外した場合、ガス価格の実質的な値下げ幅は同0.39元程度に収まるとみている。
ペトロチャイナは石油会社として、人民元安に対してある程度の備えがあり、売り上げの大半は事実上、米ドルと連動している。
国際原油相場の下落と国内の天然ガス価格の値下げ観測を受け、同社株価は年初から全体相場をアンダーパフォームしてきた。現在株価の15年予想PBRは0.7倍。BOCIは短期的な売り圧力を指摘しながらも、一段の下値余地は限られるとみている。
BOCIによると、レーティング見直しにつながりかねない潜在リスク要因は、一段の原油安や、今期決算で原油・天然ガス資産に絡む多額の減損損失を計上する可能性。BOCIはSOTP(サム・オブ・ザ・パーツ)法に基づく予想NAV(純資産価値)の5年平均割引率(10月後半以降18%から19%に拡大)と、世界石油メジャーの15年平均予想PER(16.7倍から18.0倍に上昇)を基に、同社H株の目標水準を設定。利益見通しの大幅な減額修正を反映させる形で、目標株価を引き下げた。A株に関してもAH価格差の3カ月平均値をあてはめる形で見直し、目標株価の引き下げを実施している。
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