米ゴープロの発注削減が痛手、取引先や製品ラインの多様化に期待

現地コード 銘柄名 株価 情報種類
03882 天彩控股有限公司 (スカイ・ライト・ホールディングス)  2.26 HKD
(11/10現在)
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天彩控股有限公司は主要取引先の米アクションカメラ大手ゴープロ(GoPro)から、15年10-12月期の発注分を削減するとの連絡を受けた。ゴープロ側の在庫増大が原因(主にウェアラブルカメラ「HERO4 Session」「HERO+LCD」など)。1-9月期のゴープロからの受注は経営陣の予想通りの水準に達したが、10-12月期に関しては予想以下にとどまる可能性が高まっている。ただ、その一方で、同社はゴープロとニューモデル2種の仕様をめぐって協議中。ほかに、IPカメラ、スマートイメージ製品の開発も進んでいるという。BOCIはゴープロからの受注減による影響について、現在株価にほぼ反映されたとの見方。利益見通しの下方修正に伴い目標株価を引き下げながらも、株価の先行きに対して強気見通しを継続している。

同社のIPカメラの販売状況は安定的で、米ネットギアのニューモデルが12月初めに量産化される予定。さらにネットギア以外の新規取引先2-3社も、IPカメラの量産を開始する予定となっている。

一方、iON(アイオン)向けに供給しているスマートウェアラブル機器は7月に発売されたが、利用者からの反応は極めて良好という。ほかに警察用カメラおよび車載カメラに関しては、12月に量産を開始する運び。うち警察用カメラについては、取引先の一つ、米テーザー・インターナショナルがすでに製品発表を行った(車載カメラに関しては今のところ未発表)。

同社は15年に、取引先と製品の多様化において大きな成果を挙げた。BOCIによれば、12月にはスマートイメージデバイスの取引先が決まる可能性が高く、16年も新規顧客の獲得が続くとみられる。また、ウェアラブルカメラなどの既存製品ラインではニューモデル発表が続く見込み。取引先の多様化に伴い、15年上期にはゴープロの売上構成比が76%まで低下したが(14年通期は85%)、下期にはさらに下向く見通しという。品目別ではIPカメラが急成長を遂げており、経営陣は非アクションカメラの売上構成比を向こう2-3年以内に50%以上に引き上げるとの目標を設定している。

BOCIはゴープロからの受注減を反映させる形で、アクションカメラおよびアクセサリー収入に関する15年、16年の予測値を14%、26%下方修正した。その半面、スマートウェアラブル製品、車載カメラ、警察用カメラの貢献を見込み、デジタルイメージング部門の収入見通しを増額修正。結果的に、同社の15年、16年の予想EPSを20%、23%下方修正した(新たな予想EPSは0.28HKドル、0.35HKドル)。BOCIは16年予想PER10倍をあてはめて目標株価を引き下げたものの、現在株価の同予想PERが6.4倍にとどまる点を指摘。ゴープロによる発注削減の影響はほぼ反映されたとみている。