15年1-9月期はコアベースで2桁増益、日系合弁2社が販売回復に寄与

現地コード 銘柄名 株価 情報種類
00489 東風汽車集団股フン有限公司 (ドンフォン・モーター・グループ)  10.82 HKD
(10/30現在)
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東風汽車集団の2015年1-9月期の純利益は、中国会計基準で前年同期比11.2%減の93億元にとどまったが(BOCIの通期予想の達成率は82%)、前年4-6月期に計上したPSAプジョーシトロエン絡みの非経常利益約22億元を除いたコア利益ベースでは、同10%の増益だった。うち7-9月期の純利益は前年同期比21.9%増の24億元。前期比では季節要因から34.2%減少した。BOCIによれば、続く10-12月期には小型車減税制度の導入や相次ぐニューモデル投入(日産Murano、Qashqai、Lannia、ホンダGREIZなど)を受け、日系合弁会社2社の主導の下、乗用車販売が力強い伸びを維持する見込み。BOCIは目標株価を据え置くとともに、同社株価の先行きに対して強気見通しを継続している。

15年1-9月期には商用車販売の不振(前年同期比22.2%減)が響き、同社全体の販売台数は前年同期比2.5%落ち込んだ。一方、乗用車は同1.3%の小幅の伸び。SUV販売が85.3%急増したことで、製品ミックスの高付加価値化が進んだ。14年下期のSUVニューモデルの相次ぐ投入が奏功したためで、1-9月の乗用車販売に占めるSUVの割合は37%と、14年通年の21%から大きく上向いた。

主要合弁会社3社(利益構成比80%超)では、東風ホンダの好調が際立っており、1-9月の販売台数は前年同期比21.9%増。東風日産は同3.5%減、東風PSAは同3.8%減だった。7-9月期に限ると、東風ホンダの販売台数は同105.6%と好調で、東風日産も同12.0%増と復調。その半面、PSA販売は一段と低迷し、同17.9%の減少となった。

1-9月期の売上高は前年同期比99.2%増の970億元に達したが、BOCIによると、14年9月に設立された東風PSAの連結化が大幅増収の一因。このため、1-9月期、7-9月期ともに、売上高やその他指標の前年同期比は参考にならない。比較可能な前期比で見た場合、7-9月期の売上高は19.6%減となる。

7-9月期の粗利益率は前期を0.4ポイント上回る14.6%。ただ、管理費の増大を受け、販売費及び一般管理費の対売り上げ比率は1.0ポイント上昇した。

一方、1-9月の投資収益(主に合弁会社および関連会社の利益貢献)は前年同期比3.9%減の85億元。引き続きマイナス圏で推移したとは言え、日系2社の好調で、1-3月期の同27.9%減、1-6月期の同6.7%減から下げ幅が縮小した。

BOCIは15年、16年の予想EPSをそれぞれ1.33元、1.46元に維持。同社の現在株価が15年予想PER6.7倍、16年予想PER6.1倍の水準にある点を指摘し、目標株価(15年、16年予想PERでそれぞれ8.0倍、7.3倍)を据え置いた。同社の潜在的なリスク要因としては、国内新車市場の回復ペースが予想以上に鈍くなる可能性や、日中関係を取り巻く不透明感などを挙げている。