15年中間期に24%減益、セメント事業苦戦も「首都経済圏」構想のプラス効果に期待

現地コード 銘柄名 株価 情報種類
02009 北京金隅股フン有限公司 (BBMGコーポレーション)  5.00 HKD
(09/01現在)
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北京金隅の2015年6月中間決算は、売上高が前年同期比12.5%減の180億5600万元、純利益が同24.1%減の10億4800万元にとどまった(EPSは0.22元)。全体の粗利益率は前年同期を2.7ポイント上回る27.4%。セメント部門の粗利益率が4.46ポイント悪化する半面、その他3部門でいずれも改善し、うち不動産開発部門では8.67ポイントの拡大を記録した。不動産開発部門では上期計上分の延べ床面積が前年同期比49%減。住宅市況の低迷で、期中の成約面積も同46%の落ち込みとなったが、BOCIは住宅物件の売れ行き改善を指摘。15年下期については成約面積、成約額の増加を予想している。一方、セメント部門では川下需要の委縮と製品価格の下落が、特にクリンカー業務の粗利益率悪化を招いたが、長期的には政府主導の首都経済圏構想「京津冀」(北京市・天津市・河北省)が域内セメント需要の回復に寄与する見込み。不動産事業も着実に成長するとみられ、他に「国有企業改革」を受けた収益性改善も期待材料。BOCIは目標株価を引き下げながらも、同社株価の先行きに対して強気見通しを継続している。

事業部門別に見ると、不動産開発の15年上期の粗利益率は前年同期を8.67ポイント上回る45.29%。同期計上分の延べ床面積は49.1%減の39万8100平米で、うち一般の分譲用住宅物件が同4.9%増の36万6400平米、保障性住宅(政府主導で開発される公共住宅)が同92.7%減の3万1700平米だった。また、上期の成約面積は同45.8%減の35万7900平米。6月末時点で、同社の保有用地は625万平米だった(床面積換算)。

一方、15年上期のセメント/クリンカー販売量は前年同期比6.9%減の1709万トン(セメントが1371万トン、クリンカーが338万トン)。部門全体の粗利益率は10.76%と、前年同期を5.18ポイント下回った。このほか、コンクリートの販売量は6.5%減の519万立方メートルで、粗利益率は1.09ポイント低下の10.62%だった。

新素材部門の上期の売上高は前年同期比11.8%減の51億2400万元。粗利益率は1.48ポイント改善し、9.92%に達した。

不動産投資・管理部門の売上高は前年同期比14.5%増の12億6400万元。粗利益率は4.47ポイント高の64.88%。同社は北京に延べ床面積74万9000平米の投資不動産を保有しており、入居率は91.43%の高水準。平均賃料は1平米当たり1日平均7.69元だった。

BOCIは15-17年の予想EPSをそれぞれ0.558元、0.703元、0.820元に設定。15年予想PER8.9倍をあてはめてH株目標株価を引き下げながらも、株価に対する強気見通しを据え置いた。レーティング見直しにつながりかねない潜在リスクとして、セメント需要の予想以上の低迷と、不動産市場の回復ペースが予想より鈍くなる可能性を挙げている。