15年の業務量下方修正で利益下押し圧力、株安の影響で需要に不透明感

現地コード 銘柄名 株価 情報種類
00750 中国興業太陽能技術控股有限公司 (チャイナ・シンイエ・ソーラーテクノロジーズ)  4.81 HKD
(09/01現在)
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BOCIは中国興業太陽能技術の2015年下期の純利益について前期比94%の急増を予想しながらも、続く16年通期には前年比24.1%の減益に転じる可能性を指摘している。同社の太陽光発電EPC(設計・調達・建設)ビジネスの業務量について、BOCIは前年比20%増を予想していたが、同社経営陣はこのほど15年のEPC業務見通しを下方修正し、同時に自社開発の太陽光プロジェクトの一部を売却する方針を発表。これにより、太陽光発電市場の先行きに対して市場の警戒感が高まる形となった。BOCIは中国政府が補助金未払い分の支払いを開始しない限り、太陽光セクターに対する懸念が続くと予想。同社の目標株価を大きく引き下げ、株価の先行きに対する従来の強気見通しを中立的に引き下げている。

同社は15年の太陽光EPCビジネスの業務量について、年初に示した600MWとの予想を400MWに下方修正した。この数字を見るかぎり、下期の業務量は前年同期比15%増の280MWにとどまる見込み。経営陣によると、株式市場の急落でA株上場企業の資金調達が難しさを増し、太陽光発電施設の購入が困難な状況に陥ったという。

また、自ら手掛けた太陽光発電プロジェクトの政府補助金支払いが全面的に滞る中、同社は保有プロジェクトの売却を加速させる方針。湖南省の「金太陽プロジェクト」(政府支援プロジェクト:85MW)、甘粛省、新疆ウイグル自治区、広東省のプロジェクト(105MW)などが売却対象になるという。こうした中、経営陣はEPCビジネスを見直す方針。さらに太陽光発電市場の低迷を視野に入れ、負債比率を引き下げる方針を明らかにしている。

一方、同社が従来から手掛けてきたカーテンウォール(建築構造上取り外し可能な壁)事業も苦戦している。経営陣は15年の同事業の売り上げについて前年並みから最大10%程度の減収を予想しているが、BOCIは不動産市場の弱さを指摘し、同事業の減収幅が15年以降さらに広がる可能性があるとの見方だ。現時点では、15年、16年に関して前年比10%の減収を見込み、利益率は横ばい推移するとみている。

BOCIはEPC業務量の縮小観測(15年、16年に前年比20%減)やカーテンウォールの減収見通しを受け、15年、16年の予想純利益をそれぞれ16%、41%減額修正。これに伴い、16年予想PER5.6倍(セクター平均並み)をあてはめ、目標株価を大きく引き下げた。ただ、今後の評価見直しにつながる材料として、中国政府による太陽光プロジェクト向け補助金の支払い開始を挙げている。