15年中間期に大幅増益、相次ぐ新製品投入で成長持続へ

現地コード 銘柄名 株価 情報種類
03882 天彩控股有限公司 (スカイ・ライト・ホールディングス)  2.90 HKD
(08/31現在)
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天彩控股の2015年6月中間決算は、主要取引先の米ゴープロ(GoPro:アクションカメラ大手)向け供給事業と新規のIPカメラ事業の好調を背景に大幅増益となった。経常ベースの純利益は前年同期比150%増の1200万HKドルと、BOCIの予想を21%上回る水準。経営陣によれば、アクションカメラ関連の売上高が引き続き力強い伸びを示した。下期にはIPカメラのニューモデルをはじめ、複数の新製品の投入を予定している。一方、健全なキャッシュフローを背景に、中間期の配当性向は50%。BOCIは目標株価を小幅に引き上げ、株価の先行きに対する強気見通しを継続した。

15年上期の純利益は前年同期比倍増となる9600万HKドルで、上場関連費用などの一回性要因を除く経常ベースでは150%増益。経営陣が事前に示した「80%以上の増益見通し」を上回った。研究開発費の予想以上の低さや元安を追い風とした為替差益1000万HKドルの計上などが、上期決算の上振れ要因となった。米ゴープロ向け売り上げの伸びや新規のIPカメラ事業の貢献で、売上高は87.3%増。製品構成の変化を背景に、粗利益率は前年同期を1.7ポイント下回る18.9%にとどまったが、経常ベースの純利益率は2.3ポイント高の9.3%に達した。

ゴープロ向けの売上高は前年同期比74.5%増と、ゴープロの増収率を上回る伸び。経営陣によれば、同事業は今後も好調を維持する見通しという。また、米ネットギア(Netgear)向けに供給するIPカメラは上期に急成長を遂げ、発売からわずか半年で北米市場の売り上げナンバーワンを獲得。欧州やオーストラリアでもトップ3入りを果たした。BOCIはネットギアの販路拡大やニューモデル投入を理由に、IPカメラ事業の増収ペースがこの先加速するとみている。

中間配当は1株当たり0.06HKドルの予定であり、配当性向は50%。経営陣は「この先の業績とキャッシュフロー次第」としながらも、この水準をできる限り維持する意向を明らかにしている。BOCIは配当性向50%を維持した場合、配当利回りが現行水準並みの6.0%に達すると予想。「急成長中のハイテク企業としてはかなりの高水準にある」と指摘している。

一方、15年下期には既存顧客向けに新たなマスマーケット向けIPカメラモデルの供給を開始する予定。また、上期には新たにiON(未公開企業)向けにスマート・ウェアラブル製品の出荷を開始したが、下期にはさらに、新たなスポーツ・ウェアラブル製品の商業生産を開始する計画(第3四半期)。車載カメラ、警察用カメラ、ハンティングカメラなどの出荷も年内に始める予定という。加えて、画像分析やワイヤレス通信、心拍動検出など各分野における技術力を活かし、自社ブランド製品の開発を強化する方針。自社製品の販促に向け、16年上期には米国に支店を設ける計画を明らかにしている。