15年中間期に80%の大幅増益、新契約価値が予想以上に好調

現地コード 銘柄名 株価 情報種類
01336 新華人寿保険股フン有限公司 (ニュー・チャイナ・ライフ・インシュアランス)  28.45 HKD
(08/26現在)
 株価
 企業情報
 チャート

新華人寿保険は2015年6月中間期に好業績を達成し、新契約価値(VNB)は前年同期比で42.9%増、12カ月ローリングベースで21.4%増と、市場予想を大幅に上回った。BOCIは本土生保セクターが構造的な好況期を迎えたとした上で、成長持続を睨んだ商品ミックスの優良化が続くと予想。新契約価値の力強い伸びを反映させる形で同社の目標株価を引き上げ、株価の先行きに対して強気見通しを継続している。

15年上期決算は純利益が前年同期比80.1%増の67億5000万元(EPSは2.16元)。他の同業銘柄と同様、投資収益の急増を背景に予想を上回る水準に達した。株式投資の実現利益が寄与し、同社の純投資収益率は年率換算で4.8%、総投資収益率は同10.5%を記録している。

新契約価値は市場コンセンサス予想、BOCIの予想をともに上振れたが、これは主に代理店(外務員)ビジネスの急成長が背景。BOCIの推定によれば、新契約価値マージンは初年度保険料(FYP)の年換算保険料(APE)ベースで1.7ポイント上昇したという。一方、生保の企業価値を示すEV(エンベディッドバリュー)は、株式投資の時価評価額の増大を背景に14年末比で16.4%増。ただ、既契約価値(VIF)の伸びは11.4%にとどまり、同業の中国平安保険(02318)を下回った。

一方、解約規模はさらに膨らみ、15年上期には前年同期の2倍以上となる394億2000万元。BOCIはこの点を同社のリスク要因に挙げている。契約継続率は引き続き悪化し、13カ月の継続率は84.8%(14年比で1.6ポイント低下)、25カ月では80.3%(14年比で3.9ポイント低下)にとどまった。BOCIはまた、バンカシュアランス部門の継続保険料の大幅減や一時払い保険料の急増に目を向け、解約ケースの一部が新契約価値の伸びに寄与した可能性を指摘。今後の状況次第では、投資家が株価EV倍率(P/EV倍率)による同社株価の評価に疑いの目を向け始める可能性に言及している。

同社の生保保険料収入は上期に前年同期比8.7%増の727億4000万元。初年度保険料(年換算)は前年同期比34.2%増。代理店販路の保険料収入は12.2%増で、初年度保険料は47.1%増を記録した。BOCIの推計によれば、代理店の初年度保険料はすでに、同社全体の63.9%を占めるという(前年同期は59.2%)。同社は14年に代理店チームの位置付けを見直し、再びチームを強化。その数は14年末比で9.7%増の19万2000人に達した。一方、支払い余力を示すソルベンシーマージン比率は6月末に245.8%と、当局の基準を上回る水準だった。

BOCIは現在株価が15年予想P/EV倍率で0.7倍にとどまる点を指摘。生保の事業環境の改善や、業界全体が高利益率の代理店ビジネスにシフトしている現状に触れ、長期視点に立った同社の投資価値を前向きに評価している。