待望の自家発電プラントが稼働、15年下期のコスト減と製品価格安定化に期待

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03800 保利協キン能源控股有限公司 (GCLポリー・エナジー)  1.72 HKD
(07/21現在)
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保利協キン能源は多結晶シリコン(ポリシリコン)工場向けの350MWの自家発電プラントが送電網との接続を完了し、7月20日に稼働を開始したと発表した。BOCIは稼働時期が予想より2カ月ほど遅れたとしながらも、5-6月の調整でマイナス材料はほぼ反映されたとみて、同社株価の先行きに対する強気見通しを継続した。2015年上期の業績悪化が短期的に株価の重しとなる可能性を指摘しながらも、15年下期のコスト削減や第3四半期の製品価格の下げ止まりを予想。こうした点が今後の支援材料になるとみている。

過去1年以上にわたって待望されてきた自家発電プラントの送電網への接続がようやく完了したが、そのコスト削減効果は15年下期に3億3900万元、16年通期には8億1400万元に上る見込み。BOCIはこれで、多結晶シリコンの生産コストが15年末までに1kg当たり13米ドルに低下すると予想し、15年下期の業績回復を見込んでいる。

また、15年第3四半期の太陽光発電製品の価格安定化も、この先、支援材料となる見込み。同製品価格は14年第3四半期から33週連続で下落した後、7月に入って下げ止まり始めた。BOCIは価格安定化に寄与する要因として、中国での設備据え付けラッシュ(15年通年で18GWの据え付けが行われる見通し)を指摘。さらに海外輸入多結晶シリコンのOEM契約を8月末以降停止するという政策支援を挙げている。

ただ、2つの支援材料があるとは言え、当面は15年上期の業績悪化が株価圧迫要因となる見込み。BOCIは15年6月中間期に前年同期比26%の減益を予想している。自家発電プラントの稼働の遅れを受けた第2四半期の電力コストの増大と、多結晶シリコン価格の下落(前年同期比14%安の1kg=16米ドル)が響く見通しという。

BOCIは自家発電プラントの稼働遅れを理由に15年の予想純利益を前年比21%減額修正し、新たに19億6200万元に設定した。PBR1.5倍(ヒストリカルPBRの低めの水準)をあてはめて目標株価を引き下げながらも、株価の先行きに対しては強気見通しを継続。多結晶シリコンの世界最大手である同社の長期的な内在価値を前向きに評価している。一方、同社の潜在リスクとしては、製品価格の回復局面が続かず、短期間で収束する可能性を挙げている。