PCシェア拡大も利益見通し下方修正、市場委縮と事業統合経費の計上が利益圧迫へ
現地コード | 銘柄名 | 株価 | 情報種類 |
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00992 | 聯想集団(レノボ・グループ) |
9.58 HKD (07/20現在) |
株価 企業情報 チャート |
米調査会社IDCによると、世界のパソコン(PC)出荷台数は2015年4-6月期に前年同期比11.8%の落ち込みを示した。うちレノボの出荷台数は同7.5%減の1340万台。相対的に小幅の減少率にとどまったことで、世界シェアは20.3%に上向いた(前年同期は19.4%、前期は19.5%)。ただ、先ごろ買収したIBMの低価格サーバー事業「X86」の早期退職プログラムを行うに当たり、管理費の積み増しを余儀なくされる見込み。BOCIはPC市場の低迷やコスト増見通しを反映させる形で、16年度第1四半期(15年4-6月期)の税引き前利益予想を38.6%減額修正し、16年度、17年度の通期利益予想も3.8%、10.6%下方修正した。これに伴い目標株価を引き下げながらも、株価の先行きに対する強気見通しを据え置いている。
4-6月期の世界PC出荷は予想以上の落ち込みとなったが、これはウィンドウズ10の発売を控えた各種販路の在庫処理や、ウィンドウズHPのサポート終了に伴う前年同期実績のかさ上げ、さらに各市場の為替相場変動に伴うPC価格の値上がりなどが原因。米国での出荷台数は前年同期比3.3%減と、アップル、レノボの健闘で相対的に小幅の落ち込みにとどまったが、EMEA(欧州・中東・アフリカ)が苦戦した。9月の新学期やウィンドウズ10の発売に向け、在庫処理の動きは当面続く見込み。また、為替変動によるPC消費への悪影響も、個人、法人両部門で続く見通しという。なお、レノボの4-6月期のシェア拡大に寄与したのは、米国およびEMEA。米国での出荷台数は前年同期比31.4%増を記録。市場シェアは1年前を1.4ポイント上回る12.7%に達した。
一方、スマートフォン部門は引き続き、モトローラ・モビリティーとの事業統合のさなかにあり、シナジー効果が顕在化するまでには向こう2-3四半期を要する見込み。この先、モトローラのバックエンド製造部門や調達業務との統合を通じ、一段のコスト低減を目指す方針という。また、中国のスマホ市場が飽和に近づく中、レノボ・ブランドのスマホも過渡期を迎えている。販路の面ではネット販売や第三者経由が重要性を増しているのが最近のトレンド。レノボは本来、通信キャリア経由の販売に強みを持つが、キャリア各社の端末補助金削減を受け、この従来型販路のシェアは低下しつつある。この問題に対処するため、レノボは6月、モバイル子会社・神奇の陳旭東CEOを自社モバイル部門のトップに据えた。BOCIはこの人事を「モバイル部門のビジネスモデルをより“ネット志向化”させるための措置」と受け止めている。
X86事業は再編に伴う早期退職プログラムが16年度第1-2四半期(15年4-9月)の補償費用の増大につながる見込み。ただ、X86事業の委縮トレンドにはすでに歯止めをかけた。今後は部品調達コストの低減を目指し、X86と自社PC部門とのサプライチェーン統合を実施する方針。「16年度にビジネス規模50億米ドル」との目標を掲げる。
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