川下のブランド牛乳事業が好調、独自の販売モデルで成長持続へ

現地コード 銘柄名 株価 情報種類
01117 中国現代牧業控股有限公司 (チャイナ・モダンデイリー)  2.84 HKD
(06/24現在)
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BOCIは中国北部の販売代理店を対象としたリサーチを行った後、中国現代牧業に対する強気見通しを継続した。同社は北京、上海のハイエンドUHT(超高温殺菌)牛乳市場でそれぞれ業界2位、1位の座にある。BOCIは販売代理店向けに強力なインセンティブを提供するという独自の販売モデルを背景とした川下ビジネスの急成長を評価し、2015-17年にはブランド牛乳業務の純利益寄与(社内取引分を含む)が40-63%に達すると予想。同社株価の先行きに対して強気見通しを継続した。

BOCIがリサーチを行った北部の代理店は、北京で15年に年商2億元(前年比100%増)を見込んでいる。コンビニや地元密着型販路への深い浸透が背景にあり、これが北京のハイエンドUHT市場におけるシェア2位への成長を支えた。北京の同市場でトップシェアを握るのは中国蒙牛乳業(02319)の「Milk Deluxe」シリーズ(14年の売上高は2億3000万元)だが、すでに3位の伊利股フン(上海600887)の「金典」(同1億元強)を上回る規模となった。一方、上海の同市場では14年の売上高が2億元を突破。「Milk Deluxe」の約4倍に上り、「Milk Deluxe」および「金典」の合計額に匹敵する金額に達している。

川下のUHT牛乳事業を成功に導いた最大の要因は、販売代理店に対して強力なインセンティブを提供する同社戦略。主要代理店4社は同時に、中国現代牧業の販売会社の株主兼地域担当営業マネジャーとなっている。また、垂直統合型の事業形態を持つ同社は、原料乳調達コストを抑えられる点が強み。ブランド牛乳製品を約半額で代理店に販売しているため、代理店側としてはシェア拡大に向けたマーケティング、物流分野への投資余力が大きい。さらに中国現代牧業は代理店4社に対し、4社が保有する販売会社株と同社株とのスワップを認めている。その条件は4社の合計売上高が15年に15億元以上、粗利益率が20%以上に達することであるという。

15年には末端小売価格の値下げ幅が25-30%に拡大する見込み(14年は17-20%)。すでに一部の販売拠点では閑散期に限り、「1つ買うと1つ無料」というプロモーションを行っている。ただ、中国現代牧業の工場出荷価格は1kg当たり9.0元の水準を維持しており、販売店側が小幅赤字を覚悟で、スワップの条件クリアを狙った販促活動を展開しているのが実情という。BOCIは今後予想される株式スワップが16-17年の純利益を5-6%押し上げるとみる一方、発行済み株数の3-9%の増加につながると予想。結果的に同社EPSに及ぼす影響は軽微とみている。

BOCIはレーティング見直しにつながりかねない潜在リスクとして、原料乳価格の下落に伴う15年上期の純利益縮小(前年同期比23%減)の可能性を挙げながらも、16年予想PER14倍をあてはめて目標株価を維持。同社株価に対する強気見通しを継続した。