不動産市況の回復で最大の恩恵、借り換え規制緩和も追い風に
現地コード | 銘柄名 | 株価 | 情報種類 |
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02777 | 広州富力地産股フン有限公司(グアンジョウ・アール・アンド・エフ・プロパティーズ) |
9.08 HKD (05/29現在) |
株価 企業情報 チャート |
BOCIは中国不動産市況の底入れにより、広州富力地産に最も大きな恩恵が及ぶとみている。市況回復を先導している大都市部の事業比率の高さなどが理由。5月の物件成約額については前年同月比50%前後の大幅増を見込んでいる。また、同社は不動産デベロッパーの債務借り換えに関する規制緩和(オンショアの起債などを含む)の恩恵も、同業他社以上に受けやすいとの見方。この先ファンダメンタルズの改善が続くとみて、目標株価を据え置き、株価の先行きに対する強気見通しを継続した。
BOCIのリサーチによると、同社の5月の物件成約額は前年同月比およそ50%増の40億-50億元に上る見込み。前月比でもかなりの伸びを達成する見通しという。BOCIは1130億元規模に上る豊富な分譲対象物件(15年通期の成約目標は600億元)や主要都市部のウエートの高さ(15年の分譲対象物件の93%)に言及。不動産市況回復による同社への恩恵が銘柄別で最も大きいとみている。
2015年2月時点で、未計上分の販売額は300億元超。この数字が14年通期の販売収入317億元にほぼ匹敵することから、BOCIは15年通期の大幅増収を見込んでいる。また、利幅の大きい商業用不動産の販売収入の伸びや、分譲価格の値下げ幅を他社より抑えたことで、粗利益率が前年の35.5%から36.2%に上向くと予想。不動産市況が思わしくない中で、粗利益率が改善する数少ない銘柄の一つになるとみている。
同社にとってはまた、不動産デベロッパーの債務借り換え規定の緩和も追い風。60億-70億元規模のオンショア社債発行計画をめぐって申請プロセスが進行しているという。BOCIは過去の事例を参考に、同社債の利回りを約6%と予想。仮に起債が実現すれば、財務費用(現在の金利水準は8.49%)の大幅な軽減につながるとしている。また、同社は中国国内の登記企業であるため、本土A株市場でのエクイティファイナンスという選択肢もあり得るという。
BOCIは潜在的なリスク要因として不動産市場の回復の遅れを挙げながらも、同社株価の先行きに対して強気見通しを維持。現在株価が15年予想PBR(株価純資産倍率)で0.4倍、予想NAV(1株当たり純資産価値)で60%のディスカウント水準にとどまる点を指摘している。
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