15年1-3月期に31%減益、需要減で4-6月期に一段の業績悪化も

現地コード 銘柄名 株価 情報種類
02883 中海油田服務股フン有限公司(チャイナオイルフィールド)  16.00 HKD
(04/30現在)
 株価
 企業情報
 チャート

中海油田服務の2015年1-3月期決算は、純利益が前年同期比31%減の9億7000万元にとどまった(中国会計基準)。石油会社による設備投資の削減を背景とした作業量の縮小やサービス価格の低下が響いた形。前四半期比では3%の増益を確保したものの、資産減損処理を除いたコア利益ベースでは同14%の減益だった。同社業績は今も底を打つには至っておらず、経営陣によれば、4-6月期には設備稼働率が一段と低下する見込み。BOCIは15-17年の利益見通しを2-8%下方修正し、同社H株、A株の先行きに対する中立見通しを継続した。

国際原油相場の急落による需要委縮を受けた掘削リグの稼働率悪化やデイレート(日割作業料率)の低下が、1-3月期の業績悪化の主因。うちジャックアップリグの稼働率は前年同期の98.0%から90.5%に悪化し、半潜水リグの稼働率も100%から89.7%に大きく後退した。同社は四半期ベースの掘削リグのデイレートを公表していないが、BOCIによると、主要取引先CNOOC(00883)に対してはすでに、デイレート引き下げに応じたもよう。海外市場でも新規の契約締結に伴い、大幅値下げを余儀なくされる見通しという。一方、坑井サービス部門の作業量は今のところ安定しているが、やはり一部商品ラインについては値下げ圧力が生じている。

4-6月期には減益ペースがさらに加速する可能性がある。経営陣によれば、設備稼働率は一段と悪化しており、一部のリグについては現行契約の満了後、新たな顧客を見つけることが難しい状況という。3月後半のリグの稼働状況を見ると、うち4基は1-3月期に契約期限を迎えた後も、新規の顧客獲得には至っていない。厳しいビジネス環境を受け、同社は15億元のコスト削減プログラムを始動させたが、リース支出の削減がその一つ。例えば最近では、第三者から借り受けていたジャックアップリグKantanⅡのリース契約を打ち切った。BOCIはコスト削減方針を当然と受け止めながらも、4-6月期に見られる掘削リグの一段の稼働率低下を完全にカバーするほどの削減効果は期待しにくいとしている。

BOCIは国際原油相場がすでに底入れし、段階的に回復していると指摘しながらも、石油会社の生産コストが増大する中、今の価格レベルでは新規のオフショア投資は見込めないとしている。市場でも実際、オフショア掘削サービス会社の減益局面が少なくとも17年まで続くとの見方が優勢という。BOCIは同社H株の目標バリュエーションを15年予想PER9倍から12倍(14年1月以来の高水準)に引き上げ、これに伴い、目標株価の上方修正を実施した。ただ、H株の現在株価は値ごろ感に欠けるとの見方。H株がA株株価を大幅に下回る点に触れながらも、AH価格差だけを根拠とする投資にはリスクが伴うと指摘している。