4月24日
「一帯一路」などの国策支援が追い風、機械・建設セクターに楽観見通し
BOCIは消費拡大による中国経済の底上げは当面難しいと指摘し、安定成長維持に向けた投資依存が続くと予想。こうした現状が建設・機械セクターの追い風になるとみている。中国のインフラ部門の固定資産投資は2014年に前年比19.9%増加したが、15-18年も国内経済の牽引役として10%台後半の伸びを維持する見通しという。一方、この先目玉となる成長戦略の一つはシルクロード経済圏の構築を目指す「一帯一路」で、これは中国製工業製品に対する海外需要の創出を目指す長期戦略。BOCIは「一帯一路」の下で行われるインフラ投資のうち、50%超を鉄道投資が占めるとみている。工業セクターの支援材料は「一帯一路」のほか、金融緩和、不動産てこ入れ策、インフラ投資の伸び、第13次5カ年計画の策定など。個別では株洲南車時代電気(03898)、中国機械設備工程(01829)、三一重装国際(00631)をトップピック銘柄としている。
中国では経済成長維持に向け、固定資産投資が一定の伸びを維持する見込み。BOCIは15年の伸びが前年比13%(14年は同15.2%)に減速する半面、中国は依然として緩和サイクルの途上にあり、固定資産投資が市場予想を上回る可能性も高いという。
BOCIは固定資産投資の各分野について、インフラ、不動産、製造業(この3部門が全体の81%を占める)の順で有望視している。インフラ投資は景気刺激策の主要手段として15年に前年比18.3%増加し、18年まで10%台後半の伸びを維持する見込み。不動産投資も緩和政策下で回復する可能性が高い。仮に不動産投資の低迷が続いた場合、政府はインフラ投資目標を上方修正する可能性があるという。一方、製造業投資は過剰設備に伴う設備稼働率の低迷が続く中、引き続き減速するとみられる。
「一帯一路」戦略や関連輸出は工業セクターの支援材料。BOCIが驚異的なポテンシャルを指摘している「一帯一路」戦略は資金面も含めて中国主導で、過剰設備問題の是正といった点から国内工業銘柄に恩恵が及ぶ見通しだ。BOCIは「一帯一路」投資が経済、政治の両面から価値を持つとし、関連プロジェクトの採算性を楽観。港湾設備を含む機械・建設セクターに恩恵が及ぶとみている。個別では不動産銘柄より、インフラ関連事業(鉄道、水道関連、地方インフラなど)の比重が大きい銘柄を有望視。鉄道投資に関しては、15-18年の年間予算が8000億-1兆元のピークに達すると予測している。
金融緩和に関しては09-11年当時ほど大規模にはならないとの見方。ただ、固定資産投資の刺激効果を狙い、より長期にわたって続く可能性があるとしている。
トップピックのうち、株洲南車時代電気は技術レベルや事業内容の独自性といった強みを持ち、中国南車(01766)と中国北車(06199)という2大車両メーカーの合併計画が追い風となる。中国機械設備工程は同業銘柄と比較した値ごろ感を指摘。三一重装国際は値ごろ感に加え、製品ミックスの優良化などを強気見通しの理由としている。
本コンテンツは情報の提供を目的としており、投資その他の行動を勧誘する目的で、作成したものではありません。銘柄の選択、売買価格等の投資の最終決定は、お客様ご自身でご判断いただきますようお願いいたします。本コンテンツの情報は、弊社が信頼できると判断した情報源から入手したものですが、その情報源の確実性を保証したものではありません。本コンテンツの記載内容に関するご質問・ご照会等には一切お答え致しかねますので予めご了承お願い致します。また、本コンテンツの記載内容は、予告なしに変更することがあります。