15年1-3月期に42%増益、4G設備収入の計上加速が今後の利益成長に寄与

現地コード 銘柄名 株価 情報種類
00763 中興通訊(ZTEコーポレーション)  23.40 HKD
(04/24現在)
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中興通訊は2015年1-3月期に、前年同期比41.9%の増益を達成した。売上高の同10.2%増や粗利益率の前年同期比1.8ポイントの改善などが好決算を支えた要因。主力の通信ネットワーク設備と携帯端末製造の両事業部門でそろって利益率が改善した。中国では15年3月、4G国際規格FDD-LTEの事業免許が通信キャリアに交付された経緯があり、BOCIは4-6月期から4G設備関連の収益計上が加速するとの見方。向こう数四半期にわたって力強い収益成長が続く見通しを示した。最新リポートで目標株価を引き上げ、同社株価の先行きに対して強気見通しを継続している。

1-3月期の粗利益率は35.3%と、前年同期の33.5%、前四半期の31.4%を上回る水準に達した。これが営業経費の増大を一部相殺し、営業利益率は前年同期比で1.1ポイント改善。純利益率も4.2%と、0.9ポイント上向いた。通信キャリア向けネットワーク設備の売上高は前年同期比8.9%増。一方、携帯端末部門の売上高は、主に海外での販売増を背景に同7.0%の伸びを示した。端末部門では海外市場の売上構成比が85%の高水準に達したという。このほか、通信ソフトウェアシステムおよびサービス、その他製品の売上高は前年同期比23.4%増だった。

部門別では、通信ネットワーク設備部門の粗利益率が1-3月期に44%と、前年同期の41%を上回った。海外事業の粗利益率が5ポイント上昇して41%に達しただけでなく、国内でも2.0ポイント高の46%に改善した。また、携帯端末部門の粗利益率は17.5%。相対的に利幅の大きい海外販売のウエートが拡大したことで、前年同期比で1.7ポイント改善した。

1-3月期にはすでに4G設備の販売収入を一部計上したが、FDDの事業免許が3月に交付されたことで、4-6月以降は計上ペースが加速する見通しとなった。BOCIは14年中に出荷した4G設備の大半が、15年上期に計上されるとの見方。FDD免許の発給に伴う円滑な4Gプロジェクトの計上が、向こう数四半期の利益成長を支えるとみている。

BOCIはレーティング見直しにつながる可能性がある同社の潜在リスクとして、海外市場の需要動向の変化を挙げながらも、同社の先行きを楽観。引き続き国内通信キャリアによる4Gネットワークの整備や光ファイバーネットワークへの投資が追い風になるとみている。さらに、同社の新たなM-ICT(モバイル情報通信技術)戦略が長期成長を後押しすると予想。目標株価を16年予想PER18倍の水準に引き上げ、株価の先行きに対する強気見通しを据え置いている。