14年本決算は予想下振れ、15年の太陽光設備据え付けラッシュに期待

現地コード 銘柄名 株価 情報種類
00750 中国興業太陽能技術控股有限公司(チャイナ・シンイエ・ソーラーテクノロジーズ)  10.60 HKD
(04/01現在)
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中国興業太陽能技術の2014年通期純利益は前年比19.4%増の5億8500万元と、市場コンセンサス予想およびBOCIの予想をそれぞれ11.5%、9.4%下回った。太陽光発電EPC(設計・調達・建設請負)事業の予想以上の低迷が背景。経営陣は15年について、EPCプロジェクト規模、利益率の両面から強気見通しを示しているものの、BOCIは予想EPC業務量を400MW、同利益率を23%に下方修正した。ただ、14年第4四半期以降39%値下がりした同社株価の15年予想PERが8.4倍にとどまることに触れ、14年決算の下振れはほぼ織り込まれたとの見方。控えめな想定値をあてはめても、15年に前年比19%の利益成長を達成する見通しを示した。また、15年に太陽光発電設備の据え付けラッシュが起きる可能性を指摘し、下期にはファンダメンタルズの改善に伴うバリュエーション回復もあり得るとした。15年予想PER10.5倍をあてはめた上で目標株価を引き下げながらも、同社株価の先行きに対して強気見通しを据え置いている。

14年本決算の下振れは主に、太陽光発電EPC(設計・調達・建設請け負い)プロジェクトの低迷が原因。同プロジェクト収入および粗利益はBOCI予想をそれぞれ25%、26%下押しした。また、全体の粗利益率が20.9%と、前年比2.9ポイント低下(BOCI予想は1.6ポイント低下)したことも下振れの一因。ただ、太陽光プロジェクト事業の粗利益率は26.7%に達し、市場予想の下限(25%)をクリアした。

14年通期の業務量は太陽光EPCプロジェクトがわずか240MWで、ほかに太陽光製品が200MWだったが、続く15年について経営陣は強気。EPC規模が600MWに増加するとみている。14年第4四半期に遅れが生じた一部プロジェクトを実行することで、うち上期のEPC業務量は300MWに上る見通しという。また、経営陣によると、15年にはプロジェクト全体に占める分散型発電事業の比重が50%に上向く見込み(14年は20%)。地域的には深セン、仏山、東莞、珠海をはじめとする広東省が焦点となる。

一方、15年には自前のソーラーファーム(太陽光発電所)を300MWの規模で増設する方針。現在すでに稼働している274MW(うち90.8MW分は政府当局の太陽光発電振興策「金太陽」モデルプロジェクト)に300MWを上乗せすることで、電力販売収入が2億元に拡大するとみている。

14年末の手元現金は14億元。同社は設備投資の所要資金24億元について、新株増資に頼らず、国家開発銀行の融資などを上乗せする形でまかなうことが可能だとしている。

BOCIは粗利益率の悪化を懸念しながらも、この先の電力価格値下げ観測が利幅低下圧力の軽減につながるとの見方。また、政府が15年の太陽光発電設備の新規導入目標を17.8GWに上方修正したことに触れ、この先予想される据え付けラッシュが少なくとも粗利益率23%の維持に寄与する見通しを示している。