14年本決算で黒字転換、製品価格下落見通しもコストダウンで成長確保へ

現地コード 銘柄名 株価 情報種類
03800 保利協キン能源控股有限公司(GCLポリー・エナジー)  2.02 HKD
(03/27現在)
 株価
 企業情報
 チャート

保利協キン能源は2014年本決算で19億5500万HKドルの純利益を計上し、黒字転換を果たした。多結晶シリコン(ポリシリコン)のコストダウンが予想以上の速さで進み、14年末の1kg当たり生産コストは15米ドル。5月の自家発電プラントの稼働開始を受け、15年末には同13米ドルへ一段の低減を見込む。同社株価は14年第3四半期以降20%を超えて値下がりし、現在株価のバリュエーションは歴史的低水準となるPBR(株価純資産倍率)1.5倍。BOCIは多結晶シリコン価格が15年第3四半期に1kg=16米ドルに下落すると想定しながらも、同社の15年通期決算に関して前年比27%の増益を予想。マイナス材料はほぼ株価に反映されたと見ている。また、中国で太陽発電の導入ラッシュが起きれば、製品価格の回復もあり得るとの見方。同社が業界最大手である点に言及した上で、15年予想PER13倍、予想PBR1.5倍に当たる現在株価の値ごろ感を指摘した。目標株価を15年予想PER15倍の水準に引き上げ、株価の先行きに対して強気見通しに引き上げている。

BOCIは太陽光発電業界の先行きに対して慎重であり、多結晶シリコン価格が15年第3四半期に1kg=16米ドルに下落するとの見方。ただ、同社のコストダウンが予想以上のペースで進んでいるとし、「生産コストが同13米ドルまで低下すれば、約18%の粗利益率を確保できる」とみている。実際、経営陣は15年末に同13米ドルを目指す方針。現金コストについては15年末に11.5米ドルを見込む。自家発電プラントの5月の稼働により、1kg当たり2米ドルのコスト削減が可能になるという。

一方、同社は15年末までの多結晶シリコン生産拡大計画を1万トン(シーメンス法)の水準に維持している。これにFBR法の2万5000トンを加える計画(BOCIは現在のところシーメンス法とFBR法、それぞれ1万トンずつを想定)。経営陣はFBR法について、全面稼働に伴い1kg当たり8米ドルへのコスト削減が可能とみている。

多結晶シリコン価格は14年第3四半期から20%を超えて下落しているが、シリコンウエハー価格は1ワット当たり0.207米ドルでほぼ横ばい推移している。高性能ウエハーの価格プレミアムに加え、世界生産能力の3割を握る同社の価格決定力の高さが一因。BOCIはウエハー価格が15年第3四半期には0.18米ドルに下落すると予想しながらも、多結晶シリコン価格に比べ底堅く推移するとみている。BOCIの予想では、ウエハー、多結晶シリコンの価格下落率はそれぞれ13%、15%となる。

BOCIによると、中国では太陽光発電の買取価格が1kWh(キロワット時)当たり1元程度引き下げられる可能性があり、仮にそうなれば需要に影響する見込み。ただ、それでも太陽光の導入ラッシュが発生し、年間需要の15GW超えを支える可能性があるという。