14年本決算で17%減益、原油相場急落で15年は大幅減益見通し

現地コード 銘柄名 株価 情報種類
00857 中国石油天然気(ペトロチャイナ)  8.35 HKD
(03/27現在)
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ペトロチャイナの2014年通期純利益は前年比17%減の1702億元と、BOCIの予想を3%上回った。主に探査・生産部門と精製・化学部門の業績が予想を上回った。同社は13年に西部パイプラインの権益50%の売却益(税引き前で248億元)を計上しており、この要因を除くと、14年のコア利益は前年並みとなる。続く15年の通期利益は原油相場の急落を受け、前年比で大きく落ち込む見込み。BOCIは14年決算の発表後、15年、16年の利益見通しをそれぞれ16%、6%増額修正したが、それでも15年の予想純利益は前年比61%減の約417億元(16年予想は約753億元)。利益見通しの上方修正に伴い、同社H株の目標株価を小幅に引き上げながらも、値ごろ感の後退や天然ガス価格をめぐる不透明感を指摘し、株価の先行きに対して中立見通しを継続した。

14年本決算を見ると、探査・生産部門の営業利益は前年比1%減の1869億元(国際会計基準)。原油実勢価格が6%低下し、生産コストも4%増大したが、経営陣は管理費などその他コストの低減で採算性を維持した。一方、精製・化学部門の営業損失は236億元と前年比で3%縮小し、BOCIの赤字予想を23%下回った。うち精製事業の赤字は前年比で52%増の72億元に膨らんだが(BOCIの赤字予想は108億元)、これは14年下期の主要製品価格の急落で高コスト在庫の赤字処理を余儀なくされたため。特に第4四半期の赤字が97億元と、前の期から5倍以上拡大した。一方の化学事業の営業損失は前年比17%減の164億元。30カ所を超える非採算施設を閉鎖するなど、採算改善に向けた努力を重ねたことが赤字縮小に寄与した。

このほか、販売部門の営業利益は前年比28%減の54億元。下期の石油製品価格の急落は販売部門にとっても痛手となり、第4四半期の営業赤字が51億元に達した。また、天然ガス・パイプライン部門は55%の営業減益だったが、13年に計上した売却益を除外したコア営業利益ベースでは前年比3倍増を記録した。

同社は13年から内部管理を強化しており、14年には意図的に在庫レベルを引き下げた。その結果、在庫分の対売上原価比率は14年末に11.4%と、上場以来最も低い水準に低下。また、純現金収支は500億元の黒字となり、2010年以来で最大を記録している。

続く15年は原油安を受け、最大の利益源である探査・生産部門の業績が大きく悪化し、全体で大幅減益となる見込み。経営陣はコスト削減を目指し、業績ベースの報酬制度を導入する方針を発表した。給与引き上げ分の7割を利益連動制、3割をROIC(投下資本利益率)およびROA(総資産利益率)連動制とする。ただ、BOCIによれば、15年には需要回復や価格競争力の向上を受け、化学部門の業績が改善する見込み。精製部門、販売部門についても採算性改善が見込めるという。設備投資は14年に前年比8%減の2917億元。15年は同9%減の2660億元を予定している。