14年の収益急減速も競争力を評価、『ギャラクシー』2期開業でシェア拡大へ

現地コード 銘柄名 株価 情報種類
00027 銀河娯楽集団有限公司(ギャラクシー・エンターテイメント)  35.50 HKD
(03/20現在)
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銀河娯楽の2014年12月通期利益は市場コンセンサス予想、BOCI予想をいずれも下回った。人件費やその他経費の増大が主因。BOCIは15年も利益率の低下が続くとしながらも、マカオのカジノ運営銘柄の中で同社の競争力が最も高いと評価。新規施設の開業に伴う15年下期のシェア拡大見通しを予測した。利益見通しの下方修正に伴い目標株価を大きく引き下げながらも、16年の収益見通しに基づく現在株価の値ごろ感を指摘。同社株価の先行きに対して強気見通しを継続している。

14年通期の売上高は前年比9%増の718億HKドル。決算発表前に収益見通しの下方修正が相次いだこともあり、売上高は市場予想およびBOCI予想に合致した。13年比で減速したとは言え、同期の増収率は業界平均(同2.6%減収)を明らかに上回っている。調整後EBITDA(利払い・税引き・償却前利益)は市場予想並みとなる同5%増の132億HKドル。一方、純利益は同3%増の103億HKドルにとどまり、市場予想を8%、BOCI予想を15%下回った。同社は中間期に続き、期末に特別配当(1株当たり0.28HKドル)を実施する方針。これで14年の配当性向は約59%となる。

14年には調整後EBITDAマージンが18.4%(前年19.0%)、純利益率が14.4%(同15.2%)に縮小した。BOCIは15年も利益率悪化が続くとみて、それぞれ17.0%、13.5%と予測している。『ギャラクシー・マカオ』2期と『ブロードウェイ・マカオ』の開業に伴う8000人の新規雇用を受けた人件費の増大に加え、プロモーション費用の増加などが利益率を圧迫する見通しという。

同社傘下の『スターワールド』では14年のジャンケット(VIP仲介業者)5社の離職による影響が見込まれるものの、BOCIは『ギャラクシー・マカオ』について、引き続きマカオトップクラスのジャンケットを擁しているとの見方。また、『ギャラクシー』では貸し付けを受けられないキャッシュ限定のハイエンド顧客の存在が、一般客向けカジノテーブルの最低賭け金を引き上げている点を指摘している。

BOCIは『スターワールド』のカジノ収入の急減を反映させる形で15年の利益見通しを下方修正したが、近く2期が開業予定の『ギャラクシー』はカジノ収入の減少幅を最小限に抑え、15年下期にシェアが拡大する予想。全体の15年の売上高、調整後EBITDA、純利益を前年比8%減、15.6%減、14.2%減と見通した。ただ、16年に関しては増収増益を予想。売上高や調整後EBITDA、純利益が14年実績を上回るとみている。

BOCIが設定した新たな目標株価は16年予想PER13.6倍で、同予想EV/EBITDAで9.8倍。BOCIは15年の収益見通しをベースとした場合、現在株価はほぼ適正水準にあるとしながらも、新規施設開業後の堅調見通しなどから16年ベースの値ごろ感を指摘。株価の先行きに対して強気見通しを継続している。