14年第4四半期決算はほぼ予想通り、広告やモバイルゲームが15年の成長エンジンに

現地コード 銘柄名 株価 情報種類
00700 騰訊控股(テンセント・ホールディングス)  135.90 HKD
(03/19現在)
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テンセントの2014年第4四半期の売上高および純利益(非GAAP)はそれぞれ2%、4%の幅で市場コンセンサス予想を上回った。利益上振れ要因は主にゲーム収入の計上法の変更。BOCIは15年について、広告やゲームなど複数の要因が売上増を支えるとみている。また、“コネクション”戦略や各種投資が同社のクローズドループ型エコシステムを進化させるとみて、株価の先行きに対する強気見通しを継続している。

第4四半期にはモバイルゲームの売上計上法の見直しを受けて収入9億700万元分が上乗せされる形となり、モバイルゲーム収入が38億元、同社全体の売り上げが210億元に達した。営業利益率は売上配分コスト、コンテンツコストの増大で35.2%と、低下傾向が続いた。第4四半期の純利益(非GAAP)は67億元だった。

同社は現在、中国版LINE「微信」(WeChat)の閉鎖型ソーシャル機能「朋友圏」(Moments)について、ユーザー体験を邪魔することなく広告収入を得る方法を慎重に探っている。現在のところ、広告主10社を対象としたベータテスト中であり、本格スタートのスケジュールは固まっていない。BOCIは「微信朋友圏」の広告売り上げが15年上期に予想を下回る可能性を指摘しながらも、その他の成果報酬型広告の成長がこれをカバーするとの見方。また、短期的には微信のオフィシャルアカウントの売上貢献が「朋友圏」を上回るとしながらも、長期視点から「朋友圏」の利益見通しを楽観している。

一方、モバイルゲーム部門ではカジュアルゲームから、より本格的なヘビーユーザー型ゲームへのシフトが進行し、同部門の収益化に寄与している。実際、モバイルゲームのARPU(利用者1人当たり月額収入)は前四半期の120-130元から155-165元に拡大した。BOCIはモバイルゲームおよび各種本格ゲームのARPUに関して大きな成長余力を指摘。これが15年の売上成長エンジンになる見通しを示した。

O2O(Online to Offline:オンラインとオフラインの連携。主にネット上の情報接触行動をオフラインでの購買行動につなげる仕組み)ビジネスの強化に向け、同社は大手の垂直事業者との提携、オープンプラットフォーム戦略という2つの手法を採用している。BOCIによれば、15年の主要投資先となるO2O、決済サービス、デジタルコンテンツの充実は、クローズドループ型の同社エコシステムにおいてユーザー体験を進化させる見込み。また中長期的には商取引、広告その他分野の利益成長につながる見通しという。

このほか、4月にはWeBankを開業する予定。従来型銀行の手が回らない消費者や小規模企業・零細企業を対象とするプラットフォームで、複数の既存の銀行と提携する計画。

BOCIは同社の15年通期純利益について311億元(非GAAP)との予想を据え置き、16年に関しては401億元へ3%の減額修正を実施した。目標株価を15年予想PER(非GAAP)で36.3倍の水準に据え置いている。