3月18日 
第2四半期も政策恩恵銘柄に注目、“川中”セクターが有望

本土A株市場の株価指標の年初来値上がり率(3月13日現在)を見ると、上海総合指数は4.3%、CSI300指数は2.4%。ほかに中型株や小型株をカバーするCSI500指数の値上がり率は20%に達し、深センの新興企業向け市場「創業板」の創業板指数(ChiNext Board Index)は40.1%を記録した。各指標の動向を見る限り、個別では創業板の有力銘柄が値上がり率上位に顔をそろえているもよう。BOCIによると、セクター別ではコンピュータ、メディア、通信の年初来値上がり率がそれぞれ61%、44.5%、33%に達した。逆に出遅れ感が強いのは金融、建設や、川上部門の石炭、石油化学、川下部門の食品・飲料など。中でも銀行セクターおよび非銀行金融セクターは年初から7.5%、7.1%下落し、明らかに全体相場をアンダーパフォームした。

BOCIは2015年第2四半期の有望セクターとして“川中”部門を挙げている。原材料価格の下落や需要の改善、さらに一部セクターで見られる供給量の縮小を受け、川中部門の粗利益率は改善傾向にあり、15年には利益水準の回復が期待できるという。国会に当たる全国人民代表大会、全国政治協商会議という2つの重要会議が3月中旬に閉幕したことで、第2四半期には改革措置など各種施策の発表が相次ぐとみられ、今後の政策動向が環境保護、発電設備、クリーンエネルギーなど各セクターの支援材料となる可能性が高い。BOCIは川中セクターの中で、化学、発電設備、機械などに対して強気見通しを示している。

一方、石油・石油製品、非鉄、石炭をはじめとする川上セクターについて、BOCIは慎重スタンスを維持している。川上のファンダメンタルズが改善する兆しは見えず、商品銘柄に対する弱気のセンチメントに変化はないとの見方。原油相場が明らかに回復する可能性は低く、金属相場に関しても上昇局面入りは当面期待できないとしている。

また、川下セクターに関しても相対的に慎重。不動産市況の回復ペースの鈍さに触れ、この先の政策てこ入れを見込んでいる。セクター別ではデフレ圧力の高まりを背景に、利益成長の点で値上げ依存度の高い白酒(パイチュウ)、乳製品、食肉セクターへの投資について、第2四半期には回避したほうが無難との見方。一方、不動産や自動車、家電に関しては、住宅市況の回復期待や新たな経済成長モデルに対応するための積極的な変革を理由に相対的に楽観視している。

BOCIは創業板指数銘柄の利益成長率が14年第4四半期に前年同期比48.8%増を記録した可能性に言及しながらも、現在株価のバリュエーションが2010年の小型株ブーム当時に匹敵すると指摘。割高感に言及した上で、調整待ちを勧めている。また、長期的にはIT・ネット分野の発展見通しに変化はないとの見方。現時点で、個別のIT・ネット銘柄への投資が選択肢の一つになり得るとしている。