14年本決算は20%増益、利益率悪化もバランスシートに高評価

現地コード 銘柄名 株価 情報種類
02007 碧桂園控股(カントリー・ガーデン)  2.98 HKD
(03/12現在)
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碧桂園控股の2014年12月通期の売上高は前年比34.8%増の845億元に達した。ここ数年の成約状況の好調が背景。この数字はBOCIの予想と合致し、市場コンセンサス予想を4%上振れた。ただ、通期純利益は前年比20.1%増の102億元。分譲物件構成の変化を背景に粗利益率が4.2ポイント低下したことで、増益率が増収率を下回った。また、税額や財務費用の増大で、コア純利益は前年比わずか3.6%の伸び。コアEPSは株主割当増資に伴う希薄化で、ほぼ横ばいだった。同社経営陣は2015年の成約目標を前年実績比5%増の1350億元に設定している。BOCIは同社のバランスシートの健全性を高く評価し、株価の先行きに対する強気見通しを据え置いている。

14年通期の粗利益率はBOCI予想を3.1ポイント、コンセンサス予想を2.4ポイント下回ったが、これは主に物件タイプの構成比の変化によるもの。また、分譲対象プロジェクトの土地取得コストの大幅増も一因となった。

15年以降は利益率の低い14年の成約分が順次計上されることから、BOCIは粗利益率の一段の低下を予想している。この要因を反映させる形で、15年-17年の粗利益率予想を22-23%の幅で下方修正。同時に15-16年の予想EPSを10.6-16.4%減額修正した。

一方、14年のバランスシートは力強く、純負債比率は13年の64%から54%に低下した。財務健全化に向けた努力が奏功し、現金回収率が13年の70%から82%に改善した。15年に関しては1350億元の成約目標や堅実な土地取得予算(200億元)の設定を受け、BOCIはバランスシートの一段の改善を予想。純負債比率は15年末に44%に低下するとみている。

BOCIによると、レーティング見直しにつながりかねない同社の潜在リスクは、中小都市部における新築住宅の供給過剰や予想以上の利益率の悪化。ただ、想定される程度の利益率の低下は、純負債比率の改善で吸収できる見通しという。BOCIはまた、同社株価が現在、15年予想NAV(純資産価値)を55%下回るとともに、15年予想PERで4.6倍、配当利回り6%の水準にある点に言及。株価の先行きに対して強気見通しを継続している。