最新業務統計で既存店売り上げが回復傾向、海外スポーツブランド人気が追い風に

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01880 百麗国際控股有限公司(ベル・インターナショナル)  8.23 HKD
(03/10現在)
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百麗国際はこのほど、2015年度第4四半期(14年12月-15年2月期)の業務統計を発表したが、それによると、靴類の既存店売り上げ(SSS)は前年同期比4.2%減に縮小した。第3四半期の同5.6%減から下げ幅が縮小したものの、国内靴市場全体の委縮を受けて減少傾向が続いた。一方、スポーツウェアのSSSは同10.9%増。国内市場の回復を受け、第3四半期の同5.3%増から伸び率が加速した。BOCIは前年同期実績の低さを理由に、靴類のSSS減少幅がこの先縮小すると予測し、スポーツウェアのSSSに関しては増加傾向を維持するとの見方。同社目標株価を据え置き、株価の先行きに対する強気見通しを継続している。

靴類のSSSは年度第4四半期に前年同期比4.2%落ち込んだが、これは主に販売数量の落ち込みが背景。国内全体の消費委縮傾向や百貨店の来客数の低迷が響いた。ただ、BOCIは前年実績の低さや製品ミックスの優良化を受けた減少ペースの縮小を見込み、前期比では回復傾向を示すとみている。

第4四半期のスポーツウェア部門のSSSは、国内市場の回復を背景に同10.9%増。BOCIは国内スポーツウェア市場で海外有力ブランドが売れ行きを伸ばし、シェアを拡大すると予想。その理由として、高級イメージや中小都市部への販路拡大を挙げた。実際、ナイキ・チャイナの受注は14年12月-15年4月に13%増を記録し、その前2期連続(14年6月-15 年1月)の6%増から加速傾向を示した。百麗国際はナイキ、アディダスの販売代理事業者の中でも最大手の1社であり、こうしたトレンドによる恩恵が期待できるという。

一方、同社は店舗網の拡張を加速させている。まず15年度第4四半期の靴販売店舗の純増数は350店舗と、前期の287店舗を上回り、2月末時点で計1万4128店舗に達した。また、スポーツウェア店の純増数も前期の113店舗から261店舗に上向き、2月末に6429店舗を数えた。これにより、中国本土における同社店舗は2万557に達したことになる。

BOCIはこの先のレーティング見直しにつながりかねない潜在リスクとして、靴やスポーツウェアの売れ行きが予想を下回る可能性を挙げながらも、同社株価の先行きに対して強気。目標株価を16年度予想PERで14.5倍の水準に据え置いている。