石油セクターの設備投資削減で業績不透明感、作業料値下げと稼働率悪化に直面

現地コード 銘柄名 株価 情報種類
02883 中海油田服務股フン有限公司(チャイナオイルフィールド)  13.00 HKD
(02/04現在)
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中海油田服務の業績不透明感が高まっている。最大の取引先である中国海洋石油(CNOOC:00883)が設備投資を26-35%削減する方針を示したことが背景。また、CNOOC向けにより柔軟性の高いビジネスモデルを採用する同社方針もデイレート(日割作業料率)の値下げにつながり、当面の利益に影響する見通しとなった。世界的な石油会社が投資削減に踏み切る中、設備稼働率も低下する見込み。BOCIはこうした点を考慮し、2014-16年の利益見通しを6-23%減額修正した。同時に目標株価を引き下げ、株価の先行きに対する従来の強気見通しを中立見通しに修正している。

14年7月以降の国際原油相場の急落を受け、石油各社は軒並み設備投資の削減を余儀なくされており、CNOOCも15年の設備投資を700億-800億元(前年比26-35%減)に抑える方針を明らかにした。CNOOCは中海油田服務にとって最大の取引先で、売上構成比はおよそ3分の2。中海油田服務のビジネスにより関係が深いCNOOCの中国オフショア事業に限ると、15年の投資予算は360億-420億元(前年比29-38%減)にとどまるという。

石油各社の投資削減で、中海油田服務が保有する掘削リグ43基のうち10基は今も15年の作業予定が完全には埋まっていない(中国オフショア担当の28基のうち5基と海外担当15基のうち5基)。現状をみる限り、全リグのフル稼働を確保するのは難しく、仮に新規契約にこぎつけても値下げを迫られる見込み。同社が稼働率悪化に直面するのは上場以来初めてとなる。

また、同社はCNOOC向けにより柔軟なビジネスモデルを採用し、原油生産部門においては原油相場連動型のデイレートを設定する方針。また、探査部門では将来的な生産部門の作業量の確保を見据え、デイレートやサービス料金の値下げに応じる。こうした方針は将来的にプラスとは言え、短期的な痛みを招く見通し。デイレートやサービス料金の値下げ幅はかなり大きくなる可能性があるという。 BOCIは石油業界の投資削減による打撃が当初想定した以上に深刻となる可能性を指摘。14年、15年、16年の利益見通しをそれぞれ6%、23%、18%の幅で減額修正した。具体的にはジャッキアップリグ、半潜水リグなどの予想稼働日数を引き下げるとともに、15-16年の全リグの平均デイレートをそれぞれ6%ずつ下方修正。この両年の平均デイレートが前年比13%落ち込むとの想定を予想利益の算出基準とした。また、三次元反射地震探査のデータ収集量などに関しても想定値を大きく下方修正したという。BOCIはさらに、実際のデイレートが想定以上に低下する可能性にも言及し、短期的な利益見通しの不透明感を指摘。15年予想PERで9.0倍をあてはめ、目標株価を下方修正した(修正前は同10.3倍)。