14年通期に2%減益もファンダメンタルズ改善、1月の販売好調を予想

現地コード 銘柄名 株価 情報種類
02333 長城汽車(グレートウォール・モーター)  42.65 HKD
(01/27現在)
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長城汽車が発表した決算速報によると、2014年12月通期の売上高は前年比10.2%増の626億元、純利益は同2.1%減の80億5,000万元だった(EPSは2.65元)。純利益はBOCIの予想から3.7%上振れたが、これは非営業収入の増加や法人所得税率の予想外の低さが原因であり、こうした要因を除いたコア営業利益はほぼ予想通りとなった。BOCIは速報内容について、「全般にファンダメンタルズの改善が見られた」とし、15年も改善傾向が続くと予想している。また、H6、H2、H1などの売れ行き好調を受け、1月の販売台数が予想を上回り、月別で過去最高となる可能性を指摘。利益見通しを上方修正した上で目標株価を引き上げ、株価の先行きに対する強気見通しを継続した。

14年通期の卸売販売台数は前年比3.1%減。セダン車が同54.1%減、ピックアップトラックが同6.7%減と苦戦する半面、主力のSUVが同24.4%増の伸びを示した。SUVの割合が前年の55.3%から77.1%に上向いたことで、平均販売価格が上昇し、2桁増収を確保した。一方、同期の2.1%の減益について、BOCIは研究開発や設備増強、新型車投入に絡むコスト増が響いたとみている。

14年第4四半期の速報を見ると、販売台数は前期比38.0%増、売上高は同42.3%増。ニューモデルH2、H1、H9や主力車種H6の好調が寄与した。営業利益率は前四半期の14.4%から12.6%に下向いたが、BOCIはその要因として賞与引当金やその他の費用計上を指摘している。一方、非営業収入(主に政府補助金)は3億1100万元。法人税率は通常の税率16-20%を下回る13.1%。この2点により、BOCIの利益予想と約2億元の乖離が生じたという。 中国乗用車協会(CPCA)の統計によると、同社の1月1日-16日の販売台数は前年同期比25%増3万9,192台(ピックアップを除く)。BOCIはピックアップを含む1月の販売台数が9万台に迫ると予想し、車種別ではH6、H2、H1の販売台数がいずれも月別最高を記録するとみている(3車種の1月の予想販売台数は順に3万5,000台弱、1万5,000台、8,500-9,000台)。 15年、16年の販売台数について、BOCIは新たに91万2,000台、102万台との予想値を示した。これは88万7,000台、99万台からの上方修正となる。 15年、16年の予想EPSに関しては8.1%、8.3%の幅で増額修正し、それぞれ3.83元、4.61元に設定。15年予想PER11倍をあてはめる形で目標株価を引き上げ、株価の先行きに対する強気見通しを据え置いた。現在株価の15年予想PERは9.0倍、16年予想PERは7.4倍の水準。予想以上の販売好調や今後期待されるH8発売時期に関する発表などが同社株価の短期的な支援材料になるとみている。