商業不動産最大手、ビジネスモデルの優位で一段のプレゼンス向上を予想

現地コード 銘柄名 株価 情報種類
03699 大連万達商業地産(03699)ダーリエン・ワンダ・コマーシャル・プロパティーズ  46.65 HKD
(01/26現在)
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中国国内で体験型消費が注目を集める中、大連万達商業地産は商業ビルの経営にとどまらず、消費者活動向けの総合プラットフォームとして存在感を増している。子供向け娯楽サービスといった革新的な消費モデルのパイオニアでもある親会社とのシナジーが強み。同社はすでに国内の投資不動産セクターで圧倒的トップの座にあるが、BOCIはこの先さらに存在感が高まると予想。2013-16年のEPS伸び率が年平均30.2%に達するとみている。

同社は中国の商業不動産最大手であり、保有物件の延べ床面積では、デベロッパーとしてもオーナーとしても、運営会社としても業界トップ。先発者優位やスケールメリット、ブランド力を受け、最大手の座は安泰とみられる。

また、投資物件、分譲物件を相乗的に開発するという革新的なビジネスモデルを採用している点でも卓越した存在。分譲でキャッシュフローを確保しつつ、着実かつ速やかに投資不動産開発を進めるモデルであり、同社と肩を並べるレベルで成功している企業は極めて稀。こうした包括的な不動産ポートフォリオが、収入源や不動産タイプの多様性というシナジー効果を生んでいる。

同社の投資物件は入居率が100%に近い水準にあり、賃料も安定的に上向いている。受注ベースでの開発モデルを採用していることでテナントの要求に対応しやすく、誘致候補としているブランドも2,000余り。傘下のショッピングモールはフル稼働状態でオープンすることが多いという。また、BOCIは同社の進出が雇用の創出や消費アップグレード、納税を通じた貢献などの点で、地域活性化に寄与すると指摘。こうした事例から、地方政府に歓迎される存在になるとし、土地取得コストやローケーション選択において恩恵を受けられる可能性を指摘している。 14年6月末時点で、同社は175プロジェクトを保有する。内訳はショッピングセンターが168件(開業済みはうち89件)、ホテルが99件(同48件)。BOCIは同社の不動産投資収入について、13年の85億元から16年には202億元へ年平均33.5%のペースで拡大すると予想。不動産分譲およびホテル部門を含めた同社全体の売上高については13年-16年に同32.9%拡大するとの予測を明らかにしている。 BOCIは1株当たり予想NAV(純資産価値)を103.56HKドルとした上で、目標株価を約40%のディスカウント水準に設定した。目標株価の15年予想PERおよびPBRはそれぞれ10.5倍、1.3倍となる。投資不動産の比重の高さに起因する安定収入を理由に、バリュエーションの点で同業銘柄に対するプレミアムが妥当との見方。また、安定的なビジネスモデルや優れた成長性、資産回転率の高さを評価。同社株価の先行きに対して強気の見通しを示している。