14年通期に94%の大幅増益、4G投資の高止まりで15年も成長持続へ

現地コード 銘柄名 株価 情報種類
00763 中興通訊(ZTEコーポレーション)  17.74 HKD
(01/20現在)
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中興通訊が発表した決算速報によると、2014年12月通期の純利益は前年比94.2%増の26億元と、経営陣が事前に発表した予想(25-28億元)通りの水準に達した。中国国内での4G設備ビジネスと海外での携帯端末ビジネスの好調、さらに財務費用の縮小が大幅増益の主因。BOCIは15年も一定の収益成長ペースが続くとみている。この先予想される中国国内での国際4G規格FDD-LTEの事業免許発給が通信キャリアの設備投資を押し上げ、同社の成長を後押しすると予想(国産4G規格TD-LTEの事業免許は発給済み)。目標株価を据え置いた上で、株価の先行きに対する強気見通しを継続している。

決算速報を見ると、14年通期の売上高は前年比8.0%増の812億元。営業利益は同107.0%急増し、1億470万元に達した。国内の4G通信設備事業および海外の携帯端末事業の好調、さらに供給契約における採算性の改善が売上高と粗利益の伸びに寄与した。また、支払金利の削減や外貨エクスポージャーの管理改善を受け、14年には財務費用が大幅に減少。この点も大幅増益の一因となった。

一方、14年第4四半期の売上高は前年同期比8.5%増。純利益は横ばい。BOCIは中国会計基準に基づく同期の粗利益率について、前四半期を2.5ポイント上回る34.1%を見込んでいる。同期には海外市場での販売好調を背景に、スマートフォン出荷台数が前年同期比で倍増以上の伸びを達成。さらに製品ミックスの改善を受け、端末部門の粗利益も前年同期を上回った。

第4四半期の売上高および純利益はBOCIの予想をやや下振れたが、BOCIによれば、その原因は4Gワイヤレスプロジェクトの完工時期と通信キャリアによる検品時期にタイムラグが生じたため。納品済みの一部設備が在庫扱いとなり、引当金が発生したことが響いたという。 BOCIは15年について国内4G市場の設備投資の高止まりを見込み、これが同社設備部門の収益成長を後押しすると予想。また、中国当局が通信キャリア2社、中国電信(チャイナ・テレコム:00728)、中国聯合網絡通信 (チャイナ・ユニコム:00762)に対し、国際4G規格FDD-LTEの事業免許を交付する可能性を指摘。これがネットワーク設備の受注増につながる見通しを示した。 BOCIは海外市場を取り巻く不透明感を潜在的なリスク要因としながらも、目標株価(15年予想PER18倍)を現行水準に維持し、同社株価の先行きに対して強気見通しを継続している。