ニューモデルの出足好調で月間販売台数がプラス転換、15年の好調持続を予想

現地コード 銘柄名 株価 情報種類
02333 長城汽車(グレートウォール・モーター)  44.20 HKD
(01/05現在)
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長城汽車の販売台数は14年10月、11月と2カ月連続でプラス成長を確保したが、BOCIは新型SUVモデルの出足好調を受け、向こう数カ月にわたって販売伸び率の加速傾向が続くとみている。14年第4四半期に見られたSUV販売の勢いが、15年も続く見通しという。また、国際原油相場の急落がSUV市場の追い風になるとみて、同社への恩恵を予想。目標株価を引き上げ、株価の先行きに対して強気見通しを継続している。

中国乗用車協会(CPCA)の統計を見ると、長城汽車の12月(第3週目まで)の販売台数は前年同期比26%の伸びを示した。ニューモデルH9、H1の予想以上の売れ行き好調に加え、H2、H6に対する力強い需要が背景。車種別に見ると、うちH9はHavalシリーズで最も大型のSUVであるだけでなく、最も高額(22万9,800-27万2,800元)だが、発売当初1カ月の販売台数は2,245台と、市場予想の1,000台以下を大きく上回った。BOCIはH9の月間販売台数がこの先、経営陣の目標(2,500-3,000台)を超える可能性を指摘。また、H9に対する消費者の好反応が、15年にも投入されるH8への信頼度向上につながるとみている。

小型SUVの位置づけとなるH2とH1は、14年に爆発的成長を遂げた。14年7月の発売から半年にもならないH2 の月間販売台数は現在約1万2,000台で、これは経営陣が示した目標1万台を上回る水準。また、H1の月間販売台数もすでに8,000-1万台まで上向いている。

BOCIはセダン車やピックアップトラックの低迷を理由に、同社の14年の販売台数が前年比3%減の73万1,500台にとどまるとみているが、SUVに関しては楽観的であり、同25%増の52万台を見込んでいる。15年にはさらに同39%増の72万台に達する見通しという。 一方、ロシアの通貨ルーブルの急落によるマイナス影響について、BOCIは「限定的」とみている。ロシアは同社の輸出売上高の37.4%(14年上期)を占めるが、同社の場合は輸出比率がそもそも小さく、ロシアの売上構成比はわずか(14年上期に2.3%)。また、海外CKD(ノックダウン)工場はそれぞれ現地パートナーが全額出資した上で運営しており、同社自体は決済通貨である米ドル以外、ルーブルを含むその他外貨への関与度が小さいことが理由という。 BOCIはニューモデルの販売好調を受け、15-16年の予想EPSをそれぞれ5.6%、4.0%上方修正し、3.54元、4.26元に設定した。また、SUV市場における存在感やニューモデルの競争力を背景とする利益成長見通しを理由に、15年予想PER 11倍をあてはめる形で目標株価を引き上げ(同業銘柄の目標株価は同平均9-10倍)、株価の先行きに対して強気見通しを継続している。