親会社から開発プロジェクト5件を取得、資産価値と利益の上乗せ効果に期待

現地コード 銘柄名 株価 情報種類
01109 華潤置地(チャイナ・リソーシズ・ランド)  19.66 HKD
(12/11現在)
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華潤置地はこのほど、親会社から不動産開発プロジェクト5件を総額186億HKドルで取得することで合意したと発表した。BOCIはこの買収がNAV(純資産価値)と利益の押し上げ効果を生むだけでなく、同社全体の資産の質的向上にも寄与するとの見方。買収効果に対する前向きの評価から目標株価を引き上げ、株価の先行きに対する強気見通しを継続した。

BOCIによると、この買収による1株当たりNAVの押し上げ効果は5.4%となる。買収資産のNAVは推定421億HKドル規模であり、186億HKドルとの取得価格は実質55.8%のディスカウント水準。華潤置地のNAVは買収完了後に18%膨らむが、取引に伴う新株発行で株式総数が12%増加するため、1株当たりNAVは34.40HKドルから36.24HKドルへ5.4%上向くという。

また、買収後の2015年の物件成約額はおよそ25%上乗せされる見込み。BOCIは利益押し上げ効果を見込み、15年、16年の予想EPSをそれぞれ3.8%、20.7%増額修正した。

さらに今回取得するプロジェクト5件は一等地に位置するなど、ロケーション面で優れており、同社全体の保有用地の質が向上する見込み。例えば深セン市大沖村の開発プロジェクトは同市のハイテク産業ハブである「南山ハイテク産業パーク」に位置し、前海地区からも車で15分の距離にある。住宅、ショッピングモール、オフィスを含む総合開発が予定されており、BOCIによれば、分譲収益だけでなく、まとまった賃貸収入の確保が期待されるという。また、同じく深センの三九銀湖プロジェクトは福田、羅湖という2つのビジネスエリア(CBD)に近く、同時に穏やかな自然の景色を楽しむことも可能。高級住宅開発にうってつけのロケーションとされている。 取得代金186億HKドルのうち126億HKドルは新株6億9960万株の割り当てを通じて支払う(1株当たり18.01HKドル)。残りは現金だが、15年末に10億HKドル、16年末に50億HKドルを支払う運び。同社の支払い負担はかなり軽く、14年の純負債比率は買収後も50%以下の低水準を維持する見通しという。 BOCIは同社の潜在的なリスク要因として、14年の成約額が自社目標を下回る可能性に触れながらも、今回の買収を前向きに評価。現在株価がNAVを46%下回る水準にあると指摘し、株価の先行きに対する強気見通しを据え置いている。