12月10日
世界のスマホ出荷が15年に減速へ、川上のカメラ部品メーカーを有力視
世界のスマートフォン出荷台数が2015年には減速する可能性が高まっている。低価格モデルのシェア拡大や4G機種の価格競争を受け、スマホの平均販売価格(ASP)も引き続き低下する見込み。一方、スマホのアップグレードトレンドが減速する中、一部モデルはセールスポイントとしてデュアルリアカメラ(背面に2つのカメラ)の搭載を開始しており、これがカメラ部品市場の拡大を支える見通しとなった。BOCIは携帯端末のバリューチェーンの中で、光学部品メーカーの舜宇光学科技(サニー・オプティカル・テクノロジー:02382)をトップピック銘柄とし、製品アップグレードの道のりが明確であることや市場におけるリーディングポジションをその理由に挙げている。
世界の14年のスマホ出荷台数は米調査会社IDCの当初予測(12億台)を上回り、前年比26%増の13億台弱に達するとみられるが、15年には同12%増に減速する見込み。中国本土市場については14年の出荷台数の伸びがほぼBOCIの予想(前年比13%)通りとなる可能性が高く、15年には1桁後半の成長に鈍化する見通し。ASPの低下を受け、スマホ市場の売り上げ伸び率はさらに小さくなる可能性が高く、IDCはスマホ出荷額(売上高)の14-18年の伸びを年率4.2%と予想。
デュアルカメラ搭載型スマホの登場は端末カメラモジュール業界の追い風。酷派集団(クールパッド・グループ:02369)は最近、デュアルリアカメラ(13MP)搭載の次世代主力モデルを発表。華為科技の新機種Honor 6 Plusは8MPのフロントカメラに加え、8MPのリアカメラを搭載し、3D画像やリフォーカスが可能になるという。こうしたトレンドは舜宇光学科技など、カメラモジュールサプライヤーにプラスとなる。 通信キャリアが端末補助金の削減に動く中、酷派集団は販売面でのキャリア依存度を軽減するため、新たに子会社2社を立ち上げた。うち1社はサブブランドDazenのオンライン販売を手がける。また、新たな合弁会社はオープンマーケットに照準を合わせ、新たなサブブランドivviを売り出す。これにより、キャリア経由の販売比率は現在の80-90%から50-60%に低下する見通しという。 最新の業界ニュースに目を向けると、まず注目されるのは米クアルコムに対する独占禁止法違反の調査結果。調査開始から約1年を経てまもなく結果が発表される運びとなり、一部では10億米ドルの罰金処分が下るとのうわさが流れている。一方、サムスンはコスト削減と利益率の確保に向け、スマホ機種の数を25-30%削減する方針。中価格および低価格モデルの共有コンポーネントを増やし、スケールメリットを活かすという。 BOCIはスマホ出荷伸び率の減速に加え、4Gチップセットの供給増、サムスンの低価格-中価格機種へのシフトが競争激化を招くとみて、川上のサプライヤー銘柄を選好。アップグレード製品を常に端末ベンダーに供給する舜宇光学科技を有力視している。
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