12月8日
風力発電部門の稼働時間数に不透明感、電気料金小幅値下げの可能性も

BOCIは風力発電関連4社、新疆金風科技股フン有限公司(シンジャン・ゴールドウインド:02208)、華能新能源(フアナン・リニューワブルズ00958)、龍源電力集団股フン有限公司(チャイナ・ロンユエン・パワー:00916)、新天緑色能源股フン有限公司(チャイナ・サンティン・グリーンエナジー:00956)に対する訪問リサーチを実施した結果、風力発電セクターの過剰感を指摘し、電気料金値下げの可能性と稼働時間数に関する不透明感が年内続く見通しを明らかにした。ただ、関連銘柄の最近の株価調整については、売り材料となっている国際原油相場の急落との関係性の薄さに触れ、市場の過剰反応を指摘している。また、風力発電業界では今後、利下げや送電インフラの整備が支援材料になるとの見方だ。発電容量の新規需要を取り巻く不透明感から、設備メーカーより発電事業者を選好し、財務費用の軽減や電力廃棄問題の改善などを発電銘柄のプラス材料に挙げている。

2014年の新規容量について、龍源電力集団は1.5GWとの目標を据え置き、15年以降については年間2GWを見込む。すでに5.6GW分について当局認可を獲得済みで、うち2.5GWは建設中(15年の完成予定)。一方、華能新能源は14年に1.5-1.8GWを新たに導入する運び。当初は1.8GWの導入を目指したが、一部を15年1-2月に先送り。総容量については15年に10GWとの目標を据え置いている。新天緑色能源は14年に250-300MWを新設し、15年6月末までには700MWの導入を完了する予定という。また、設備大手の新疆金風科技は14年に4GW分の設備出荷を行う計画。風力発電所においては上期に1.4GW、第3四半期に300MWの据え付けを完了。15年には3GWの据え付けを行う計画を明らかにしている。 一方、稼働時間数を見ると、龍源電力集団の風力部門は14年目標1975時間の達成はやや難しい状況だが、電力廃棄率は1-11月に9.45%と、1-9月期の9.79%から改善傾向を示した。華能新能源の発電量は10月に前年同月比30%増、11月に10%増。廃棄率は10%以下だが、東北部・北部では送電インフラ整備がさほど進んでいない状況という。稼働時間数については14年通年で1900時間を見込む。ほかに新天緑色能源の14年の稼働時間数は2000時間と、例年の2200時間を下回る見込み。新疆金風科技は通年で2000時間を計画している。 風力発電の電気料金について、龍源電力集団や華能新能源は短期的な大幅値下げの可能性に否定的。政府の風力発電発展戦略を理由に、価格据え置きか小幅値下げを予想。 利下げによるプラス影響は15年に顕在化する見通し。龍源電力集団の14年1-9月の借入金利は平均5.1%。華能新能源、新天緑色能源は14年通年の利率について、それぞれ5.8-5.9%、5.9%を見込んでいる。