15年に販売台数のプラス成長を予想、ボルボとの技術提携が進展

現地コード 銘柄名 株価 情報種類
00175 吉利汽車(ジーリー・オートモービル)  3.52 HKD
(11/27現在)
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吉利汽車の自動車販売台数は2014年1-10月に前年同期比26.2%減少したが、BOCIは残る11月、12月には減少幅が縮小すると予想。14年通年では経営陣が示した販売目標(43万台、修正済み)に近い数字に達するとみている。また、15年については新型モデルおよび採算性の高い車種の貢献で、販売台数がプラス成長を回復するとの見方。ボルボとの協力体制の前進などをプラス要因に挙げた。CMA(Compact Modular Architecture)プラットホーム上で両社が共同開発する一連の新型モデルは16年後半から投入される予定という。さらに業務統計やJDパワーのランキングに見られる通り、中国におけるボルボの独自ビジネスも好調。BOCIは吉利汽車の現在株価が14年予想PER10.7倍、15年予想PER9.3倍の水準にあることに言及した上で、15年のファンダメンタルズの改善を予想。目標株価を引き上げ、株価の先行きに対する強気見通しを維持した。

1-10月の販売台数は前年同期比26.2%減。輸出販売が同45.7%、国内販売が同20.7%それぞれ落ち込んだ。ただ、7月後半に発売した新型モデルEC7の好調を受け、8月以降は減少幅が段階的に縮小に向かっている。BOCIのリサーチによれば、EC7の売れ行きはその後も好調で、11月、12月には2万台の大台に乗せる見通しという。

14年通年の同社全体の販売台数について、BOCIは経営陣が示した目標(43万台)に迫ると予想。15年には主にEC7や新型モデルGX9(豪情)、GC9の寄与で、前年比13.4%増の48万4000台に達する見通しを示した。また、製品ミックスの優良化を受け、平均販売価格および利益率も15年にそろって上向くとみている。

GC9はBクラスのハイエンドセダンであり、12月半ばに正式にデビューする予定。市場への投入時期は来年初めになるとみられる。価格は14万-20万元と、中外合弁ブランド車に匹敵するレベル。これにより、同社のポジショニングが広がることになる。BOCIはマス生産モデルとは一線を画したGC9の投入で、吉利汽車のブランドイメージが向上するとの見方。月間販売台数の2000台乗せに期待している。

ボルボとの協力関係は着実に進展しており、CMAプラットホーム上の提携モデルは予定通り、16年後半から順次投入される見込み。一方、ボルボの独自ビジネスも今年は好調であり、1-10月のボルボ車販売台数は前年同期比35.8%増の6万5827台。通年目標8万台の達成が視野に入った。BOCIはS60L/XC60(成都工場)、XCクラシック(大慶工場)といった現地生産モデルや輸入モデルXC90の寄与で、15年もボルボブランドの勢いが続くとみている。JDパワーの14年版IQS(初期品質調査)リポートによれば、ボルボはBMWとベンツを抜き、高級車ブランドの第2位にランクインした。