記念セール売り上げが記録的高水準、戦略奏功で収益見通し改善

現地コード 銘柄名 株価 情報種類
01833 銀泰百貨(インタイム・リテール)  6.62 HKD
(11/17現在)
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銀泰百貨の11月11日-16日の売上高が記録的水準に達した。11日のいわゆる「独身の日」は中国のネット通販フェスティバルに当たり、11日-16日は同社の創業記念セール。オフラインとオンラインとの融合や、双方向ショッピング体験の提供、セクターを跨ぐ共同プロモーション――など、各種のイノベーション活動が売り上げ拡大に寄与したという。BOCIはこうした同社戦略が2015年の販売回復を後押しし、さらに長期の成長機会をもたらすとの見方。現在株価(15年予想PER13倍)が相対的に低水準にあることに触れ、株価の先行きに対し強気見通しに上方修正した。

11日-16日の売上高は前年同期比13.5%増の14億元(1年前も6日間のセールを実施)。この間に浙江省の実店舗を訪れた顧客の数は、同省人口の10%に当たる500万人超に達した。一方、ネット通販フェスの11日にはオンライントラフィックが前年同日比360%増加し、売上高は328%増を記録。yintai.comの売り上げが208%増、モバイルアプリ経由の売り上げが702%急増した。また、16日までにオンラインのリピート顧客10万人が実店舗を訪れ、平常時の2倍を超える金額を支出したという。

経営陣は創業記念セールの売上高と来客数が記録的水準に達した理由として、◇天猫(Tモール:アリババグループ傘下の通販プラットフォーム)上のブティックストアやO2Oストア(O2Oはオンラインとオフラインとの購買活動の連携)、yintai.com、モバイルアプリ、さらに中国版LINE「微信」アカウントといったオンラインチャネルとリアル店舗を組み合わせた“多チャネル・プロモーション”が寄与した、◇新たなソーシャルシェアリングプラットフォーム「インタイム・ガールフレンド・サークル」を通じた双方向のショッピング体験が寄与した、◇オンラインレンタカー会社や不動産デベロッパーなどと組んだクロスセクター型の協力体制が寄与した――ことを挙げている。

同社の既存店売上高は第1四半期から順に、前年同期比2%増、7%減、4%減と推移したが、BOCIは第4四半期について6%増を予想。その理由として西湖店の11月の再開業予定(改装目的で8月から休業)や前年同期実績の低さを挙げた。また、14年通期の既存店売り上げについて前年比1%減を予想しながらも、15年には同5%の伸びに転じると予想。オンラインとオフラインとの融合や買い物体験の向上などがプラス成長回復に寄与する見通しを示した。また、コア利益に関しても14年に前年比8%減少した後、プラス転換を予想。15年、16年に前年比12%増、10%増を見込んでいる。

なお、同社は7月以来、総額4億2900万HKドルで自社株6300万株の買い戻しを実施した(株式総数の2.8%、1株当たり平均6.77HKドル)。BOCIはこの点も加味し、14-16年の予想コアEPSをそれぞれ1-3%上方修正。14年のEPSについては前年比13%減、15年、16年についてはそれぞれ同8%増、同10%増を予測している。