14年7-9月期決算は予想通り、15年の新規カジノ開業で優位を予想

現地コード 銘柄名 株価 情報種類
0027 銀河娯楽集団有限公司(ギャラクシー・エンターテイメント)  52.35 HKD
(11/12現在)
 株価
 企業情報
 チャート

銀河娯楽の2014年7-9月期決算は市場の予想通りの内容となり、カジノ業界全体が低迷する中での抵抗力の強さを証明した。旗艦カジノリゾート『ギャラクシー・マカオ』のVIP部門の成長率は業界平均を上回るペースだった。BOCIはマカオ・カジノセクターにおいて、この先、同社が最大の受益者になるとの見方。その理由として、カジノ業況の改善見通しや 15年半ばの新規施設の開業予定を挙げている。

7-9月期決算は売上高が前年同期比6%増の173億HKドル、調整済みEBITDA(利払い・税引き・償却前利益)が同1%増の33億HKドルと、市場予想通りの水準に達した。

うち『ギャラクシー・マカオ』の調整済みEBITDAは前年同期比4%増、前期比10%減の24億HKドルだった。VIPカジノ収入は前年同期比11%増の72億HKドルと、業界平均を上回る伸び。一般客部門のカジノテーブル収入も同13%増と、前期に比べて堅調だった。10月上旬には一般ホールの全面禁煙措置が施行されたため、同社は『ギャラクシー・マカオ』の一般客フロアに喫煙室4カ所を設置。また、価値の向上に向け、VIPエリア、一般客エリアで繰り返しカジノテーブルの再配置を行っている。

一方、『スターワールド』の調整済みEBITDAは前年同期比0.7%減、前期比10%増の9億400万HKドル。VIP部門のホールドレート(カジノ側の勝ち分)の正常化や一般客部門の堅調が寄与し、前期比の伸びが顕著となった。経営陣は7-9月期にVIPクラブ2カ所、10月にさらに2カ所を撤去。今後は市場のニーズを見ながらテーブル配置を調整するとしている。

『ギャラクシー・マカオ』第2期は15年半ばに開業する予定。これまでに設備投資予算196億HKドルのうち90億HKドルを投下した。従業員募集はすでに始まり、向こう4-6月以内に約7000人を採用する計画。同社は引き続き力強いバランスシートを維持しており、手元現金は110億HKドルに上る。

BOCIはカジノセクター全体の一般客部門の低調や人件費高騰を織り込む形で、同社の14年-15年の収益見通しを下方修正した。予想売上高をそれぞれ3.9%、8.1%減額したのに伴い、予想EBITDAを7.9%、17.7%下方修正。予想純利益も9.2%、19.8%の幅で引き下げた。ただ、ハイエンドのカジノ体験を提供している点で同社を高く評価し、カジノ銘柄の中で同社を有力視。目標株価を引き下げながらも、株価の先行きに対する強気見通しを継続している。