14年7-9月期決算は予想上振れ、10-12月の市況回復が追い風に

現地コード 銘柄名 株価 情報種類
01313 華潤水泥控股有限公司(チャイナリソーシズ・セメント)   5.25 HKD
(10/27現在)
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華潤水泥控股の2014年7-9月期決算は、為替差益2200万HKドルを除くコア純利益が前年同期比25%増、前期比15%減の11億8000万HKドルとなり、BOCI予想およびコンセンサス予想をそれぞれ34%、38%上回った。1-9月期のコア純利益は前年同期比76%増の33億HKドルと、早くもBOCIの通期予想の72%を消化した(13年1-9月の純利益は通期の58%)。直近決算の予想上振れは主に、1トン当たり粗利益や関連会社の利益貢献が予想以上に大きかったためで、ほかに適用税率や一般管理費の対収入比率が低かったことなども寄与した。華南地区におけるセメント平均販売価格は8月後半以降に底入れし、10-12月期も回復基調が続く見込み。同業他社と比較したシェアの高さから、同社は市況回復により最大の恩恵を受けるとみられ、BOCIは引き続き、同社をセメント・セクターのトップピック銘柄としている。

7-9月期のセメントおよびクリンカー販売量は前年同期比11.5%増の2060万トン、平均販売価格は同3.1%高の315HKドルと、いずれもBOCIの予想通り。ただ、1トン当たり粗利益は前年同期比12.5%増の95.3HKに達し、予想を2.2%上振れた。これに伴い、BOCIは10-12月期の粗利益予想を2HKドル上方修正し、120HKドル(前年同期比では17%安)に設定している。

7-9月期にはコスト管理が奏功し、一般管理費の対収入比率は6.6%から5.9%に低下。財務費用の同比率も2.7%から2.2%に改善した。BOCIは7-9月期決算の予想上振れや10-12月期の好決算見通しを受け、2014-16年の予想利益をそれぞれ8-15%の幅で増額修正した。

高速道路建設プロジェクトが相次ぐ見通しなどから、BOCIは引き続き、広東省のセメント市況に対して楽観的。中国南部の1-8月の固定資産投資伸び率は前年同期比19.2%増と、北西部の20.0%増に次ぐ地区別2位だった。

同社の広東省での1日当たりセメント出荷量は7-9月期に前期比9%増の8万6800トン。BOCIのリサーチによれば、広東省における同社平均在庫率は9月末に45-50%の低水準だった。また、広東省エリアの主要メーカーの多くは10月末までに、セメント、クリンカー出荷価格を1トン当たり20-30元引き上げる予定という。ちなみに同社の売り上げ全体に占める広東省の割合は1-9月に45%に達した(前年同期は37%)。

BOCIは同業銘柄の1トン当たり平均企業価値(EV)や同社の15年予想EV/EBITDA倍率、予想PERなどを基に目標株価を引き上げ、先行きに対する強気見通しを継続している。