14年中間決算が予想上振れ、道路インフラ建設で下期に需要拡大見通し

現地コード 銘柄名 株価 情報種類
01313 華潤水泥控股有限公司(チャイナリソーシズ・セメント)   5.56 HKD
(08/11現在)
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華潤水泥控股の2014年6月中間決算は為替差損(1億4560万HKドル)を除いたコア純利益が前年同期比118%増の21億2000万HKドルを記録し、BOCI予想および市場コンセンサス予想をそれぞれ25%、20%上回った。不動産市況の減速にもかかわらず、クリンカーおよびコンクリートの売上高、平均販売価格が予想外の高水準に達したことや、トン当たり粗利益が予想を上回ったこと、さらに販売費・一般管理費の管理強化に成功したことなどが同期利益の予想上振れにつながった。BOCIは14-16年の予想純利益を4.7-9.1%増額修正。これに伴い、目標株価を14年予想PER10倍、15年予想PER9.3倍の水準に引き上げ、先行きに対する強気見通しを継続した。同社をセメントセクターのトップピックに選定している。

6月中間期にはセメントおよびクリンカーの平均販売価格が1トン当たり348HKドルへ前年同期比19%上昇したことや、トン当たり粗利益が119HKドル(BOCI予想は114HKドル)に達したことが、コア利益の倍増を支えた。一方、セメント/クリンカーの生産コストはトン当たり225HKドルで、前年同期比では2.9HKドル増。BOCIによれば、石炭コスト(トン当たり4HKドル減の105HKドル)の低下が、原価償却費(同3HKドル増の28HKドル)と原材料調達コストの増大をかなりの部分で相殺する形となった。

上期にはセメント売上高の71%を占めた広東省と広西チワン族自治区で、平均販売価格が前年同期比25%、13%上昇した。対照的に山西省、雲南省では同20%、11%下落。BOCIによれば、下期も価格動向の地域格差が続く見通しという。

BOCIが算出したところによれば、上期には売掛債権回転日数が13年の35日から40日に伸びる半面、買掛債務回転日数は13年の41日から36日に縮小した。これにより、キャッシュ・コンバージョン・サイクル(CCC:仕入れから販売に伴う現金回収までの日数を示し、数字が小さいほど現金回収サイクルが早いことを意味する)は42日の健全レベルを維持した。BOCIは主にコンクリートビジネスの拡大を理由に、今後の買掛債務回転日数の推移に留意するよう投資家に勧めている。

一方、BOCIはセメントのトン当たり粗利益に関する14-16年の想定値を上方修正。降雨量の多い14年第3四半期に前期比22%減を見込みながらも、第4四半期には交通インフラ建設に伴う需要増を予測し、再びトン当たり119HKドルの水準を回復するとみている。ちなみに中国では13-17年の5年間で、高速道路建設プロジェクト69件(総投資額4408億元)が完工する運び。これにより、現在5705kmの高速道路総延長が17年末には8156kmに拡大することになる。