マイナス材料続出で成長減速見通し、幹部不正問題で事業の進展に遅れ

現地コード 銘柄名 株価 情報種類
00135 昆侖能源有限公司(クンルン・エナジー)   12.20 HKD
(07/16現在)
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昆侖能源は不正容疑による幹部らの拘束や中国石油天然気集団(CNPC)グループ内での優先的地位の喪失など、不運続きであり、各種事業の進展にも遅れが生じている。BOCIは天然ガスパイプライン運営部門を例外に、同社事業の利益成長減速、あるいは減益を予想。理由として業務量自体の伸び率鈍化や親会社との競争、事業環境の悪化などを挙げた。これに伴い、2014-15年の利益見通しを10-14%減額し、一段の下方修正余地を指摘。同社株価の先行きに対する従来の中立見通しを弱気に引き下げた。

親会社のペトロチャイナ(00857)は13年11月に完成したLNGターミナル(河北省唐山)向けの輸入LNGの輸送経路を多様化。これにより、昆侖能源傘下の2つのLNGターミナルが打撃を受け、1-5月の処理量がそれぞれ前年同期比16%、24%減少した。BOCIによれば、同社LNGターミナル部門の14年通期利益は前年比26%減の2億2900万HKドルにとどまる見通しという。また、本来であれば、ペトロチャイナは唐山のLNGターミナルを早々に昆侖能源に注入すべきだが、グループ全体で不正に関する捜査が続く状況下では実現困難。捜査絡みの悪影響が今も色濃く残っている。

天然ガス自動車の開発状況も今年これまでのところ低迷している。昨年の天然ガス価格の値上げを受け、ディーゼルなどその他燃料に比べた魅力が後退したため。BOCIはLNG自動車の新規開発台数に関する14年の予想値を、5万台から2万台へ大きく下方修正した。

昆侖能源はこれまで、CNPCグループ内で優先的に天然ガスを割り当てられていたが、バックについていた有力幹部の不正容疑のあおりで、こうした優先的地位を失った。14年第4四半期には新たなLNGプラント2つが稼働する予定だが、採算化に必要とされるだけの分量を確保できるかどうか不透明感が残る状況。14年下期および15年の業績に影響する可能性が出てきた。

また、カザフスタンでの原油輸出税増税も逆風。14年3月に同税が1トン当たり60米ドルから80米ドルに引き上げられたことで、同国での原油プロジェクトがコスト増に見舞われた。輸出増税を受けて国内販売比率を引き上げれば、同プロジェクトの一段の収益率悪化につながる可能性があるという。

一方、天然ガスパイプライン部門は唯一、年初から収益成長を維持しているが、これは前年同期実績の低さが一因。また、陝西省-北京間パイプライン1-3期の稼働率がピーク期に100%に達していることも懸念材料。第4期建設プロジェクトは政策要因から遅れており、この先、成長ペースが鈍る可能性が指摘されている。BOCIはこうした複数の材料を反映させる形で利益見通しを下方修正。同社株価の先行きに対して慎重見通しを示している。