相次ぐニューモデル投入で販売好調、合弁車種が20%超の伸び

現地コード 銘柄名 株価 情報種類
00489 東風汽車集団股フン有限公司(ドンフォン・モーター・グループ)  12.22 HKD
(06/09現在)
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東風汽車集団の2014年上期の乗用車販売について、BOCIは業界平均を上回る増加ペースを見込んでいる。前年同期実績の低さやニューモデル投入による上乗せ効果が理由。中国乗用車協会(CPCA)のデータによると、同社の自主ブランド(合弁生産する外資系ブランドではなく同社の独自開発車種)の乗用車販売台数は年初から前年同期実績を割り込む水準で推移しているが、日産、ホンダ、PSAプジョー・シトロエンとの合弁ブランドは1-5月にそろって前年同期比20%以上の伸びを達成した。傘下の主要合弁会社は昨年以降、相次いでニューモデルを投入しており、BOCIはこれが14年の販売増に寄与するとの見方だ。また、同社の現在株価が14年予想PER7.0倍と、同業銘柄を下回る水準にあると指摘。同9.0倍をあてはめた上で目標株価を引き上げ、株価の先行きに対する強気見通しを継続した。

CPCAの統計によると、東風汽車集団の主要合弁会社の販売台数は1-5月に業界平均を上回る伸びを達成した。東風日産、東風ホンダ、さらにPSAとの合弁会社の販売台数がそれぞれ前年同期比で20.5%、27.4%、25.3%増加した。

同社は昨年から、ホンダJADE、日産の新型ティアナおよびエクストレイル、PSAの3008、301、Elysee、2008といったニューモデルを相次いで投入している。エクストレイルや301、2008を含むニューモデルの多くは競争力が高く、発売後の売れ行きは好調という。

東風日産は14年第4四半期に、「インフィニティ」ブランドに属する一部モデル(Q50、Qx50など)の現地生産を開始する計画。BOCIは国内高級車市場の好調やインフィニティの競争力の高さに言及し、現地生産化が東風日産の新たな成長エンジンになるとみている。また、インフィニティモデルがティアナと生産ライン(湖北省襄樊市)を共有する見通しを示し、新たな減価償却費は発生しないと指摘している。 BOCIは日系車種の販売状況をめぐる不透明感に加え、ニューモデルの投入ペースあるいは販売ペースが予想を下回る可能性などを同社の潜在的なリスク要因として指摘しながらも、現在株価が本土系自動車銘柄の中で最も低い水準にあると指摘。14年上期の販売状況が予想を上振れる可能性に言及した上で、株価の先行きに対する強気見通しを据え置いている。