14年1-3月期に108%のコア増益、平均販売価格は4月も安定推移

現地コード 銘柄名 株価 情報種類
01313 華潤水泥控股有限公司(チャイナリソーシズ・セメント)  4.85 HKD
(05/13現在)
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華潤水泥の2014年1-3月期利益は、為替差損1億3300万HKドルを除いたコア純利益ベースで前年比108%増の8億2600万HKドルに達した。この数字はBOCIの予想を4%上回り、14年通期予想の23%に相当する水準(13年の通期純利益に占める同年1-3月期の割合は15.7%)。財務費および税率が予想以上に膨らんだものの、平均販売価格が予想を上振れたことで、コア営業利益はBOCI予想を17%上回った。中国南部のセメント価格は大雨の影響で短期的に軟化する可能性があるものの、BOCIは同社株価の下値余地は限定的との見方。目標株価を据え置き、先行きに対する強気見通しを継続した。

14年1-3月期のセメント/クリンカー販売量は前年同期比5.4%減の1520万トンにとどまったが、平均販売価格は前年同期を22%上回る1トン当たり363HKドル。1トン当たり粗利益はBOCI予想を16%上回る124HKドル(前年同期比81%増)に達した。ただ、BOCIは今のところ、4-6月期、7-9月期、10-12月期の1トン当たり予想粗利益をそれぞれ100HKドル、77HKドル、117HKドルに据え置いている。

大雨の影響と不動産市場の減速を受け、中国南部および中部では最近、セメント需要が軟化している(南部・中部は同社セメント出荷の72%を占める)。ただ、インフラ部門のセメント需要は底堅く、同社の1日当たり出荷量は4月も23万-24万トンと、相対的に高水準を維持した。平均販売価格も安定的で、在庫レベルは前回ピーク時に比べ、およそ50%縮小している。

同社の主要市場である広東省は14年に、主要インフラ建設プロジェクト向けに1470億元超を投下する計画。また、広西チワン族自治区では13年末に3305kmだった高速道路総延長が年率平均13.5%のペースで拡大し、20年には8000kmに達する見込み。同自治区ではさらに、14年の不動産開発投資、都市部公共投資が前年比9%、26%増加する見通しとなっている。 一方、中国政府はセメント業界の過剰設備抑制に向けて旧式設備の淘汰を進めており、14年の削減目標を年産5050万トンに上方修正した(従来目標比で850万トン増)。6月にも閉鎖対象となる生産施設の詳細が発表される運び。同社にとって、こうした設備淘汰の動きは追い風になるという。現在株価は14年予想PER7.5倍。BOCIはマイナス材料はすでに織り込まれたとみて、同社株価に対する強気見通しを継続している。