14年1-3月期決算は大幅増益の見通し、4Gネットワーク機器の需要拡大でコア利益は5億8300万元の黒字に転換

現地コード 銘柄名 株価 情報種類
00763 中興通訊 (ZTEコーポレーション)  16.40 HKD
(04/11現在)
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通信機器メーカーの中興通訊が2014年1-3月期決算で大幅増益になる見通しを明らかにした。純利益は前年同期比107-211%増の4億2500万-6億3700万元に達する見込み。また、特別項目を除いたコア利益は前年同期の6億1500万元の損失から5億8300万元の黒字に転じ、14年通年利益(BOCI予想)の24%に達するとみられる。利益率の高い海外事業および国内4Gネットワーク機器事業の好調で粗利益が改善したという。

FDD-LTE規格のライセンス発給に遅れの可能性が指摘されるものの、4Gネットワーク向けの通信機器需要は活況だ。大手キャリアの中国移動(チャイナ・モバイル、00941)は14年末までに52万5000基の4G基地局を設置する意向を示し、14年の設備投資額を13年実績比22%増の 2250億元と設定している。国内最大の基地局アンテナメーカーの京信通信系統控股有限公司 (コンバ・テレコム・システムズ、02342)も中国移動から大量のアンテナ発注があったことを明らかにしており、こうしたベンダーの状況も踏まえてBOCIは中興通訊の国内通信機器販売事業が今後も好調を維持するとの見方を強めている。

中興通訊は13年に多くの新型スマートフォンを発売したが、13年10-12月期の端末部門は損失を計上した。ただ、ネット通販大手の京東商城(JD.com)やアリババのTmallを通じてオンライン販売している高機能ブランド「nubia」が好評を博しており、今後オンライン販売で特定モデルの大量出荷が進み、14年の販売台数が6000万台を超えれば、端末事業の黒字化が見込めるとBOCIは指摘している。

13年は人民元高と新興国の為替変動により8億元の為替差損を計上した。14年に入り人民元相場は軟化している上、4Gネットワーク向け通信機器需要拡大で国内事業が好調であることから、14年業績は前年ほど為替の影響を受けないとBOCIはみている。

BOCIは引き続き中興通訊を中国通信セクターのトップバイとして推奨。利益率の高い4Gネットワーク機器およびデータ通信機器への需要の高さが14年業績を引き上げると指摘した。レーティングのリスク要因として、4Gライセンスのスケジュールや条件の変動によりキャリア各社の設備投資が影響される可能性を挙げた。